【59市町村・この10年】新規就農研修受け入れ 昭和村

 
雪まつりで披露されるからむし織反物を漂白する伝統技術「雪ざらし」=2017年2月26日

 村は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、風評払拭(ふっしょく)や人口減少対策に力を入れてきた。「織姫」として知られる体験生受け入れ制度がある「奥会津昭和からむし織」は2017年11月、国の伝統的工芸品に指定され、後継者育成や販路開拓などに弾みがついた。

 村は夏秋期のカスミソウ栽培面積で日本一の生産地。村内のカスミソウ販売額は年間約3億5千万円で、全国でも有数の規模を誇る。村内では新規就農者確保に向けた「かすみの学校」の受け入れが17年6月にスタート。研修生がカスミソウの栽培の流れなどを学ぶ内容で、高齢化が進む農家の後継者確保に向け、村が受け入れを企画した。

 村と会津美里町を結ぶ国道401号では18年11月に着工式を行った博士トンネル(延長4・5キロ)の掘削工事が進む。同トンネルは博士峠バイパス(同7・5キロ)の中心区間で、20年代初頭の開通を目指す。救急搬送の時間短縮や、交流人口の拡大などが期待される。