【59市町村・この10年】沖縄の高校と友好協定 小野町

 

 町は東京電力福島第1原発事故の発生直後、広野町の災害対策本部を受け入れた。町民が地元のあぶくま高原産のそば粉を使った手打ちそばを振る舞うなど、広野町民と交流を深める場面もあった。
 町内では、原発事故による農産物の風評を払拭(ふっしょく)するため、地元高校生が活躍した。

 沖縄県石垣市を訪れた小野高の生徒たちは、八重山農林高(同市)の学校祭に参加。町産トマトを使った「トマトうどん」や、伝統食の一升漬けを活用した「一笑漬ドレッシング」を販売、本県農産物をアピールした。

 活動の土台となったのが小野高と八重山農林高の友好協定。小野町出身で東京農大名誉教授の小泉武夫さんが石垣市の経済大使となっていた縁があり、協定締結の橋渡し役を担った。

 2019年には町と石垣市で物産品交流による地域づくり協定の締結につながった。両校は連携し、現在も農産物の6次化商品開発に取り組んでいる。