【59市町村・この10年】道の駅と交流施設整備 飯舘村

 
福島市飯野町に置いていた役場機能を5年ぶりに村に戻し、決意を新たにする村職員ら=2016年7月1日

 村は原発事故で全村避難を余儀なくされた。原発事故直後は浜通りから避難者を受け入れたが、徐々に村内の放射線量が明らかになり、政府が2011(平成23)年4月22日に村全域を計画的避難区域に指定した。村は地域コミュニティーの維持を重視し、村から車で1時間以内の場所への村民避難を進めた。役場機能については車で40分ほどの福島市飯野町に移した。

 役場機能の先行帰還などを経て、17年3月末に帰還困難区域の長泥地区を除く村全域で避難指示が解除された。村が復興拠点に定めた深谷地区には道の駅をはじめ、多目的交流施設「ふかや風の子広場」などが整備された。

 昨春には村内3小学校と飯舘中を統合し義務教育学校「いいたて希望の里学園」を開校。昨年10月には、復興の礎を築いた村長の菅野典雄氏が退任した。唯一残った避難区域の長泥地区では23年春の避難指示解除を目指し、特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の除染や家屋解体を実施している。