【TRY・ソロキャンプ(上)】湖畔にテント 装備多い冬、重労働

 
夕暮れ時の猪苗代湖畔で、1人だけでのテント設営に取りかかる。いつもより少し手間取った

 社内で一番のキャンプ通だと自負している。キャンプの魅力に取りつかれたのは10年近く前。以来、家族でキャンプを楽しんできた。趣味が高じて県内のキャンプ場を紹介する本を作らせてもらったほどだ。だが一つ、まだ経験していないことがある。それは1人だけでやるキャンプ、いわゆる「ソロキャンプ」だ。(郡山総支社営業部・丹野雄大)

 最近、「3密」にならない自然の中で楽しめるという理由もあり、キャンプの人気は上昇しているという。中でもソロキャンプは芸能人の間でもブームとなり、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで様子が発信され、一般にも広がっている。「いつかは自分も」と思っていたところ、TRYの企画が舞い込み、飛びついた。

 それでは準備にかかろう。足を運んだのは郡山市のキャンプ用品店「ワイルド・ワン」郡山店。店長の吉田竜司さん(56)は山登りが趣味で、日ごろから一緒にアウトドア談議をしているが、改めてソロキャンプの基本を教わることにした。

 「冬場のソロキャンプはハードルが高いですよ」と吉田さん。寒さ対策に万全を期さねばならないことや、暖房器具による一酸化炭素中毒などの危険性が伴うことなどが理由という。そこで、店内にある厳寒地対応の寝袋や、最新の暖房器具などを紹介してもらい、必要な道具を購入した。

 そしてキャンプ当日。向かったのは猪苗代湖畔にある天神浜オートキャンプ場だ。これまで家族で何度も訪れているだけに、自分にとって「ホーム」のようなキャンプ場といえる。到着すると夕日に染まる湖面と磐梯山が出迎えてくれた。

 眺めの良い場所を見つけて、早速テントの設営に取りかかる。いつもは家族と手分けしながらの作業だが、今日は1人きり。テントを張るのに、いつもより手間取る。

 冬の猪苗代にもかかわらず、汗びっしょりだ。雨もぱらついてきたため、少しだけ焦ってきた。30分ほどかけて完成すると、次は車の中から荷物を運び出してテント内に運ぶ。冬は装具が多いため、これまた重労働だ。「ソロキャンプってなかなか厳しいかも」。そう思ったが、ここからが楽しい時間の始まりだった。

ソロ選択男性25%

 楽天インサイトが6月にインターネットで実施した「キャンプに関する調査」によると、直近1年以内にキャンプに行った男性のうち25.3%が「ソロキャンプ」を楽しんでいた。

 キャンプに行く最大の理由については「自然や非日常を楽しみたい」が58.9%で最多となり、「のんびり過ごすことができる」(14.3%)「コロナ禍でも感染対策をしながら楽しめる」(6.3%)が続いた。