【TRY・笑いヨガ】今年一番の「笑顔」 腹から声、心身ぽかぽか

 
大平教授とライオンのポーズで「ワッハッハー」。最初は硬さがあった記者もこの表情になった

 新型コロナウイルスの影響でマスクを着けた日常が増え、笑顔を見る機会も減った今。ぴったりのものがある。それが体操とヨガを組み合わせた「笑いヨガ」だ。108カ国で普及しており、日本でもひそかなブームとなっている。2021年も終わろうとする中、心身ともにリフレッシュするため笑いヨガにトライした。(報道部・三沢誠)

 さっそく桑折町で月に2回開かれている笑いヨガサークルにお邪魔してみた。出迎えてくれたのは、福島医大医学部の疫学講座で教壇に立つ大平哲也教授(56)だ。大平教授は笑いによる生活習慣病や認知症の予防を研究しており、笑いヨガによる健康づくりを提案している。

 「一種の有酸素運動ですよ。楽しく健康になれるなんて最高ですね」。こう話す大平教授はスタートする前から既に笑顔満開。

 小雨が降る中、未知なる体験が始まった。講師は笑いヨガティーチャーとして活動する関口恭代さん(80)が務めてくれた。まずは準備体操だ。息を目いっぱい吸い込み、両手を上に伸ばしながら「ホッホッホー、ワッハッハー」。屋外に参加者の楽しそうな声が響く。

 記者も負けていられない。腹から声を出し、自転車をこぎながら「ホッホッホー、ワッハッハー」。乾杯しながら「ホッホッホー、ワッハッハー」。相撲を取りながら「ホッホッホー、ワッハッハー」。いろいろな種類がある。

 「次はどんなヨガなんだ」。だんだん楽しくなってきた。15分もすれば気温10度の寒さを忘れるくらい体はぽかぽかに。着ていたパーカを脱ぎ捨て、気付けば薄手の長袖になっていた。参加者の笑顔も増え、記者の心も温まってきた。最後に大平教授とライオンになりきり「ホッホッホー、ワッハッハー」。今年一番の笑顔で締めくくった。

 約40分で20種類以上ものヨガを体験した。驚くのは記者以外の参加者が70~80代の人ばかりということ。年齢を感じさせないほど元気だ。このヨガのおかげなのかもしれない。参加した皆さんは「いい汗かいたなー」とすがすがしい表情で会場を後にしていた。

 参加者と顔を合わせたのは初めてだったが、そんなことを感じさせないくらいの雰囲気だった。場所もお金もかけずに、誰でも気軽に始められるのが笑いヨガの特徴だろう。

 コロナ禍で自由な生活が奪われ、ストレスがたまりやすい時期だからこそ「ヨガを通してたくさん笑い、ストレスの解消につなげてほしい」と話す大平教授。仲間や離れた友人らとオンラインでやるのも良いだろう。自分たちで新しい笑いヨガの種類を考えるのも面白そうだ。

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 笑いヨガ 1995年にインドで生まれた。普通のヨガとは異なり、声を出しながら体を動かすため運動量が多い。15分間のヨガで20~40キロカロリーを消費し、ウオーキングと同じくらいの効果があるとされる。ストレス発散や認知症予防にも有効だという。