【TRY・屋外サウナ】テント内120度超→湖水6度

 
テントサウナを出て、水風呂の代わりに目の前の猪苗代湖につかり体を冷ます記者。水温は6.6度

 やってみたいとは思っていたが、敬遠していたことがある。近年、注目を浴びるサウナのことだ。サウナと水風呂を繰り返すことで心身が「ととのう」楽しみ方が広まり、ブームとなっている。今回のトライは初心者ながら一気にレベルを上げ、厳冬期の屋外サウナを体感する。(本宮支局・佐藤智哉)

 記者も誘われたことはあったが、サウナの後に入る水風呂なんて何がいいのだろうか、と毛嫌いしてきた。そんな疑問を解決するため勇気を出し、猪苗代町のレイクサイドホテルみなとやを訪れた。

 ホテルの前に広がる猪苗代湖畔の砂浜では、貸し切りテントでフィンランド式のサウナを楽しめる。「サウナー」(愛好者)から人気の場所だ。ホテルで水着に着替え、営業部長の渡部一登さん(37)にテントサウナへ案内してもらった。

 この日の外気温は午後2時で2度。テントの周りは白銀の世界が広がっていたが、それがうそのようにテント内はまきストーブで温まっていた。120度の温度計の針は振り切れている。

 さらに渡部さんがストーブの上で熱した石「サウナストーン」に水を掛けると体感温度はさらに上昇した。「ロウリュ」というサウナの楽しみ方で、テント内には水蒸気が充満し、顔を覆いたくなるような熱さが全身を包み、体から汗が噴き出てきた。

 水風呂は猪苗代湖

 10分もしないうちに体は一気に温まり、不安としていた水風呂へ向かった。ただ、ここに水風呂はない。そう目の前の猪苗代湖が水風呂の代わりなのだ。

 「銭湯の水風呂はだいたい13~15度程度ですが、この時期の湖は5、6度です」と渡部さん。意を決して湖に飛び込むと、一瞬で体が冷やされ30秒も入っていられず限界が訪れた。もがく記者に近くを泳いでいた白鳥が不思議そうな目をして、遠ざかっていった。

 ただ湖から上がり、体を拭いて、リクライニングの椅子に座り外気を浴びると不思議な感覚が体に走った。一度冷え切った体はだんだん温かくなり、心地よさに襲われた。「その感覚が『ととのう』に近いです」と渡部さん。「サウナの後に水風呂に入ることで『温冷交代浴』の効果で血液がめぐり、リラックス効果をもたらします」と教えてくれた。

 何度かサウナと湖水浴、外気浴の流れを繰り返すうちに心も体もぽかぽかになった。目の前に広がる猪苗代湖畔の雪景色や白鳥のさえずりも開放感を演出してくれる。「最高だ」と思わず声が漏れた。

 サウナの楽しみ方について渡部さんは「サウナも水風呂も無理はよくない。時間に縛られず自分の体に合った楽しみ方を見つけてほしい」と話した。音楽を聴いたり、たき火をしたりしながら、楽しむ方法もあるという。

 終わってみれば、すっかりサウナの魅力にはまっていた。水風呂も悪くない。最高のサウナデビューとなった。