【ブレイキン(上)】時代の波乗りたいが・・・激しい動きに筋肉悲鳴

 
橋本さんからダンスの基本を学ぶ記者(右)

 「ダンスの経験はありますか?」。福島市のダンススタジオ「LIFE Cr.DANCE&Fit.FLEUVE(ライフ クリエイト ダンス アンド フィットネス フローヴ)」の紺野美希和(みぎわ)代表から声をかけられた。若者を中心に人気が広がる「ブレイキン(ブレイクダンス)」のお誘いだった。経験はないが、パリ五輪の正式種目に決まったことで名前は聞いたことがある。「習得すれば時代の波に乗れるかもしれない」。ブレイキンの世界に挑むことを決めた。しかし、あんなに体を酷使することになるとは...。(報道部・三沢誠)

 何の気なしに誘いを受けたものの、スポーツで経験があるのは野球や水泳。思い返せば、音楽に合わせて踊るのは小学校の運動会以来だろうか。

 「本当に引き受けて良かったのだろうか」。不安が芽生えた中、スタジオを訪れると指導役のブレイクダンサー橋本耕太さん(32)が笑顔で出迎えてくれた。

 まずは準備体操から。体を激しく伸び縮めするブレイキンにとって非常に重要という。足や肩甲骨などの可動域を広げるため、入念に体をほぐしていく。すました顔で橋本さんの動きをまねしたが、実際は太ももの横など、普段動かさない筋肉がすでに悲鳴を上げている。最近まともに運動していなかったつけが回ってきたようだ。出だしから雲行きが怪しかった。

 体が温まったところで、スタジオにリズムの良い音楽が大音量でかかる。橋本さんが1分程度で手本を披露してくれた。立った状態で踊る「トップロック」や回転系の「パワームーブ」、音に合わせて体を止める「フリーズ」―。さまざまな技がスピーディーに繰り出されていく。「技の組み合わせもアレンジも無限大。自分を最大限表現できるんです」と橋本さん。ブレイキンの魅力を語る表情は輝いていた。

 一方、記者の表情が浮かない。先生の動きに全く目が追い付いていなかった。「まさかここまでとは...」。レベルの高さに終始圧倒されていた。数時間でどこまで橋本さんに近づけるのか。もしくは全くできずにこの企画がボツになるのか。いよいよ挑戦が始まる。

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 ブレイキン 米ニューヨークで1970年代に発祥したストリートダンスの一種。ギャングが抗争を暴力でなく踊りで解決しようとしたのが起源とされている。2018年にアルゼンチンで開かれたユース五輪で注目を浴び、世界に広がった新スポーツ。来夏のパリ五輪では正式種目として実施される。

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