【わらじおどり(上)】「足が左右逆」とげき飛ぶ

 
紙谷さんから動きを教わる記者(左)。動きを習得するごとに表情が緩んでいった

 福島市の夏の風物詩「福島わらじまつり」が8月4~6日、4年ぶりに通常開催される。出場の人数制限がなくなり、新型コロナウイルス禍前と同じ規模に戻る。記者もパレードに花を添える「わらじおどり」に出場することが決まった。中学校の部活動以来、まともに運動をしていない記者が付いていけるのか...。不安がよぎる中、練習が始まった。

 2019年に振り付けを一新したわらじおどり。ロープと縄でできた小道具「わらのわ」を両手に持っての踊りだ。8月4日の本番を見据え、県内企業の新入社員ら約50人が顔をそろえる練習会に参加した。

 講師を務めるのは、実行委員会の紙谷瑞恵さん(44)だ。まずは手足を一緒に上げる動きから始まる。江戸時代の飛脚の走り方「ナンバ」みたいだなと悠長に構えていたが、動きが複雑になると足がもつれる。

 「桜井さん、足が左右逆ですよ」。容赦なく実名でげきを飛ばしてくれる紙谷さん。ほかの参加者からの視線が痛い。

 一新したわらじおどりは四つの動きが特徴だ。▽同じ側の手足を一緒に上げる▽片足ずつ前に出して交差させる▽片足を前に出して斜め上を見ながら片手を回す▽手を上下に振ってから回す―の四つ。本番ではこの動きを約30分間繰り返す。

 「最後はパッション(情熱)が鍵になります。踊りを楽しんでください」。おじけづく記者を見かねた紙谷さんから助言を受け、「わっしょい! わっしょい!」と声を出しながら踊る。すると体が軽くなり、次第に表情も緩んできた。

 「良くなってきましたね」。ようやく紙谷さんからお褒めの言葉をいただいた。本番では楽しんで元気を届けたい―。動画投稿サイト「ユーチューブ」の動画を参考に自宅で練習を重ねることを決意した。成果を見せる本番はすぐそこだ。

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 福島わらじまつり 福島市の信夫山にある羽黒神社に健脚を願って大わらじを奉納する祭事「暁まいり」に由来し、1970年から続く夏祭り。法被姿の男衆が「日本一」とされる全長12メートルの大わらじを担ぎ、市街地を勇壮に練り歩く。わらじおどりは、まつり50周年に合わせ、同市ゆかりの音楽家大友良英さんの総合プロデュースで踊りと音楽が一新された。

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