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ふくしま里山物語
 かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
【 11 】 モリアオガエル
田んぼを守り生息維持

モリアオガエル

モリアオガエルが産み付けた卵塊を見つけ歓声を上げる園児たち。毎年、この田んぼ周辺だけで50個以上の卵塊が確認されている=大熊町

 雑木林に囲まれた田んぼのあぜを歩く園児たち。歩を進めるたびに足元から小さなカエルが飛び出し、歓声が上がる。「上を見てごらん」。頭上を見上げると、木の枝に大きな泡の塊がいくつもぶら下がっている。モリアオガエルの卵塊だ。
 先月末、おおくま「ふるさと塾」(渡部正勝会長)の会員は、地元の子どもたちとともに田植えを行った。農家の高齢化によって手を掛けられなくなった田んぼを借り受け、古代米を栽培するようになったのが3年前。周辺に産み付けられた卵塊はこの田んぼに水が引かれないと命をはぐくむことができない。
 「実は、収穫はほとんど見込めない田んぼなんです」と副会長の鎌田清衛さん。水温が低く日当たりが悪いため稲穂の実入りは少ない。ほとんどモリアオガエル保護のためだけに田植えを続けている。

 誇り持てるふるさとに

 ふるさと塾は1994(平成6)年の結成以来、部会ごとにさまざまな活動を行っている。「民話・歴史部会」は大熊町に伝わる民話を掘り起こし、創作民話として各地で上演。「自然・木の実部会」はふるさとの自然を守るための保護活動や木の実細工で世代間の交流を図っている。大熊町の豊かさと良さを知り、誇りの持てるふるさとにすることが塾の目的。塾のスローガンは「大好き!おおくま」。
(写真と文・矢内靖史)
   モリアオガエル 
  無尾目アオガエル科。体長は雄が約6センチ、雌が約8センチ。普段は森林に生息しているが、産卵期に水辺に集まる。
 
 

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