「1強多弱」に一石
県民の不満支持集める
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今衆院選で県内では、自民、民主両党以外の政党や候補が第三の選択肢として票を伸ばした。復興や安倍晋三首相の経済政策の恩恵が実感できない県民の不満が投票に表れ、「1強多弱」とされる中央政界の流れに一石を投じた形となった。
県内有権者の選択を象徴したのは福島4区。維新の党県総支部代表で前職の小熊慎司(46)が、自民党前職の菅家一郎(59)との事実上の一騎打ちを416票差で制し、初の選挙区議席を獲得した。党県総支部幹事長の本田朋(40)は「既存組織や団体との戦いに勝ち、選挙区議席を獲得できた意義は大きい」と総括した。
民主が唯一独自候補を擁立していない選挙区で、小熊陣営は「1強多弱」で自民に立ち向かう野党の結集を重視。民主側でも、全面支援した元衆院副議長の渡部恒三(82)が野党結集を呼び掛け、玄葉光一郎(50)が小熊の事務所で連携を叫んだ。
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候補者の話に耳を傾ける有権者。「1強多弱」の批判票が中央政界の流れに一石を投じた |
小熊の当選は巨大政党自民に対抗する「野党連合」への期待といえる。
共産党は小政党に厳しい結果となる中、全国議席数を公示前の8から21に増やした。党への県内得票率も前回から1.4ポイント増の9.4%に伸ばし、自民への批判票の受け皿の一つとなった。久保田仁共産党県委員長(58)は「安倍政権の暴走ストップへの訴えが、全国で議席を倍増させる結果につながった」と自負する。
一方、社民党は比例東北での1議席奪還を逃し、退潮傾向が続いた。
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「安倍政権に対し、公明党がしっかり役割を担ってほしいとの期待を感じた」。悲願の比例東北2議席を得た結果は、安定政権に向けた自民との選挙協力が奏功したといえるが、党県本部代表の甚野源次郎(67)は、政権の「ブレーキ役」を自認してきた党への期待との見方を示した。甚野は「本県に衆参の議員がそろい、復興に全力で取り組む体制が整った」と語り、復興推進への役割を担う決意を示した。(敬称略)
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