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共産自信、公明存在感
社民、維新は「足踏み」
参院選福島選挙区の選挙会が開かれた24日、森雅子の当選が淡々と決まったころ、福島市南矢野目の共産党県委員会の会議室は熱気に包まれていた。「県民の期待に応えられた。90年代後半の躍進に次ぐ『躍進』だ」。県委員長の久保田仁の鼻息は荒い。
党が主戦場とした比例代表の得票は、檜枝岐村を除く58市町村で前回参院選を上回った。久保田は、比例で12万票を獲得した1998年(平成10)年の第18回参院選になぞらえる。
民主失速で受け皿を失った反自民票を、「自共対決」を打ち出すことで取り込みを図った。県内比例票は7万5000票。近年減少傾向をたどっていた比例票が増加に転じた点に県委員会は注目する。
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福島選挙区の当選者を決める選挙会は淡々と行われた=24日午前、福島市・自治会館 |
ただ、12万票を得た当時の勢いはない。福島選挙区の公認候補は法定得票に届かなかった。無党派層の一部に食い込めたことを背景に党幹部は自信をみせ、久保田は「次は地方選だ」と号令を掛ける。年内には福島、いわき両市長選、そして来年は知事選が控える。
公明党は、選挙区では自民党と協力体制を取り、比例では地元候補でもある若松謙維(石川町出身)を国会に送り出した。21日の開票を郡山市の党県本部で見守った県本部代表の甚野源次郎は、地元国会議員の誕生に「復興への県民の期待を感じる」と表情を崩した。若松の総得票の1割超を県内で集めたことで結束力に自信を深めた。
連立を組む自民党の圧勝で国会の「ねじれ」も解消した。憲法改正や集団的自衛権に関して右傾化が指摘される安倍政権に対し、ブレーキ役として存在感を示すのかが今後の注目点だ。
選挙区に独自候補を擁立した社民党は反自民票の受け皿を目指したが、共産党の影に隠れ、党勢退潮に歯止めはかからなかった。県連代表の小川右善は「政党の規模が小さくなり過ぎ、有権者の期待感を受け止められなくなっている」と危機感をあらわにする。小川は「護憲などの政策で一致した野党と共闘を組めるか、重要な局面となる」と表情を引き締めた。
連携を模索するのは日本維新の会も一緒だが、事情は異なる。昨年12月の衆院選では県内で比例16万票を集めた維新だったが、共同代表の橋下徹の従軍慰安婦発言の影響で勢いは足踏み状態。参院選の県内比例票は6万票にとどまった。
4月に県総支部を立ち上げたが、県内で組織定着が進んだとはいえない。ただ県内では共産票に迫る票を獲得したことで、県総支部幹事長の本田朋は「一定の手応えは得られた」と話す。本田は「直前まで連携協議を重ねたみんなの党との連携も模索したい」とし、党勢拡大に向けた試行錯誤を続ける。(文中敬称略)
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