いわき市長選告示 「待ったなし」有権者切実
1日告示され、過去最多に並ぶ4人が立候補したいわき市長選。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた同市復興のかじ取り役を担うリーダーには市民から農林水産業、観光業の風評被害払拭(ふっしょく)や放射能対策などを求める声が上がる。将来の同市を担う若い世代を育む育児環境の充実や各種復興施策の推進なども含めて「待ったなし」の状況は続く。8日の投開票に向けて舌戦入りした4候補に有権者の切実な思いが向けられている。
「今回は通常の市長選とは異なる。市民の今後を考えた復興政策を望みたい」。同市沿岸部で津波の被害に遭った住民が多く住む高久第1仮設の新妻美郎自治会長(63)は市長選に注文を付けた。震災から現在まで非日常が続いているとした上で「震災発生から間もなく2年半が過ぎる。市長選で復興が滞るようでは困る」と危惧する。現在は災害公営住宅など仮設の住民にも深く関係する施策が多く進んでいるが、「私たちに時間の余裕はない」と復興施策のさらなるスピードアップを求める。
同市には原発事故で避難を余儀なくされた双葉郡の住民も多くいる。仮設住宅などで避難者と交流を進める女性からは「復興に向けた今後の方針について、双葉郡の首長ときちんと話し合える人を市長に」と求める声が漏れ聞こえた。
(2013年9月3日 福島民友・県内選挙ニュース)
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