【１０キロ女子高校生以上２９歳以下】大会新で初優勝しクイーンカップを手にする原田詠麻（ケミコン宮城）

　「無期限休部」の困難を乗り越えたヒロインが晩夏の伊達路を爽やかに駆け抜けた。高校生以上２９歳以下１０キロの部の原田詠麻（２０）＝ケミコン宮城＝は初出場ながら大会記録を５８秒更新、「自分との闘いと思って走った」とスタートから一度もトップを明け渡さない圧巻の走りで女子総合優勝の栄冠をつかみ取った。
　原田が所属する日本ケミコン女子陸上部は今年３月、会社の事情で無期限休部を余儀なくされた。レース前の平日は仕事の合間を縫って１人で走り込んだが、思うような練習が積めず、不安があったという。
　しかし、初めての道のりにも戸惑いはなかった。「アップダウンや桃の木のきれいな風景があり、走りやすかった」とコースを楽しむ余裕を見せた。「沿道の温かい声援が力になった」。伊達市民の応援が原田の背中を押し、それに応えるかのようにリズムに乗った。次の目標は１１月に横浜市で行われる横浜国際マラソン。原田はももの里で手にした自信を胸に、自身２度目のフルマラソンに挑む。
（２０１４年９月１日　福島を走る・福島民友ニュース）