【１０キロ高校生以上女子】４７分３０秒で２連覇した上野紗耶佳（喜多方桐桜高）

　「低い気温や雨で思うように体が動かなかったが、とにかく前を見て走った」。１０キロで女子トップの記録をマークし、高校生以上の部を２連覇した上野紗耶佳（喜多方桐桜高３年）は、しっかりとした口調でレースを振り返った。
　８月に同校陸上部を引退し、就職活動に専念していた。引退後は、ほとんどトレーニングをしていなかったというが、「小学校時代から出続けている、私にとって欠かせない大会」と７度目の出場を決意した。
　前日から降り続く雨の影響で、レース時の気温は１０度未満。スタート時点で動かない体の重さを感じていたが、女子選手の中では、圧倒的な速さで突き進んだ。「レース後半は、さらに体が動かなくなっていって本当につらかった」。風邪もひいていたが、我慢の独り旅で長丁場を乗り切り、力を振り絞ってゴールに飛び込んだ。
　きついレースを完走した顔には、充実感があふれた。レースだけでなく、人生の大事な場面を乗り越える力を身に付けてきた。上野は「就職活動を乗り切って、来年は友人とペアで出る」と目標を立て、新たなステージに踏み出そうとしている。
（２０１４年１１月４日　福島を走る・福島民友ニュース）