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アトピーでも安心「米粉スイーツ」で妻の願いかなう 本宮・鹿又さん夫妻の洋菓子店

2025/07/03 08:45

店長で夫の直輝さん(左)と妻でオーナーの沙稀さん

 体質を理由においしいスイーツを諦めたくない―。本宮市の「ちいさな洋菓子店 api(あぴ)」に並ぶシフォンケーキなど約10種類のスイーツは、米粉を原料としている。店長の鹿又直輝さん(32)が、アトピー性皮膚炎を抱える妻の沙稀さん(35)の願いを形にした。開業から約半年が過ぎ、口コミを中心に注目が集まっており、市内外から幅広い客層が足を運んでいる。

 2人はカフェ巡りが趣味だが、沙稀さんは皮膚炎の症状が悪化しないように小麦粉のスイーツを控えており、安心して楽しめるスイーツは少なかった。沙稀さんのもどかしさを解消したのが、直輝さんのお菓子だった。会社員だった直輝さんが自宅で作るお菓子は米粉を原料として、甘さ控えめの味わい深いものだった。沙稀さんは直輝さんのお菓子に注目し、直輝さんに米粉を使った菓子店の開業を提案。直輝さんは沙稀さんの願いをかなえるため、当時勤めていた会社を退職し、今年1月に店を開業した。

 店舗の経営は沙稀さんが担当、お菓子作りは直輝さんが手がけ、二人三脚で運営している。沙稀さんは本宮市で10年以上ネイルサロンを経営しており、その経験を生かして、親しみやすい店づくりに取り組んでいる。直輝さんは「妻のアイデアや感性にはいつも驚かされる。お客さまの声を誰よりも大事にする姿勢に学ぶことが多い」と話す。沙稀さんは「夫は一緒に悩んで一緒に喜んでくれる。私の安心と信頼の象徴です」と笑う。

 将来の目標は県産の規格外野菜や果物を使った米粉スイーツの開発と販売だ。2人は「規格外の農産物も味や安全性は同じ。農家さんの思いを無駄にせず、誰もが安心しておいしく食べられるスイーツを提供したい」と語った。

 店舗の住所は本宮市本宮字中條30の9。店舗情報はインスタグラムで発信している。

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