双葉町で8月17日、子どもたちが主役の「かき氷店」が一日限定で開店する。盛り付けから、配膳、レジ打ちを担当するのは全て子どもたちだ。原発事故による全町避難を経て、町内にはまだ子どもが遊べる公園や遊具は少なく、学校もない。それでも「子どもたちに古里に愛着が持てるような、思い出をつくってあげたい」との願いで、町民有志の大人たちが準備を進めている。
町内で2人の子どもを育てる高久田祐子さん(50)が発起人となり、有志による「双葉町の子供に笑顔を贈る有志の会」を発足してイベントを企画した。
高久田さんによると、町内に住む高校生以下の子どもは15人。2022年8月に町内の一部で避難指示が解除され、当初5人しかいなかった子どもが増えつつある中で「子どもの心が豊かになり、地域の人にとっても心に残るイベントをしたい」と考え企画した。
子どもたちが着るエプロンやネクタイは、双葉町お裁縫クラブの協力で手作りで製作中だ。かき氷店は町内の地域活動施設「FUTAHOME(ふたほめ)」で開催する予定で、専門店の味を提供するという。
高久田さんは「数年後でも大人になってからでも、子どもたちが古里を思い出すような一日にしたい」と語る。
14日まで資金募集
双葉町の子供に笑顔を贈る有志の会は、イベントの事業資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標金額は30万円で締め切りは14日まで。CFサイト「キャンプファイヤー」から申し込める。