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25年産米概算金、軒並み最高水準 福島県内の各JA

2025/09/16 07:50

 福島県内各JAが生産者に前払いする2025年産米の「生産者概算金」が出そろった。非公表の会津よつば、東西しらかわを除く3JAの生産者概算金は【表】の通り。各JAで軒並み過去最高水準となり、福島さくら、夢みなみの主要銘柄の「コシヒカリ」は1等米60キロ当たり3万円となった。

 金額が上昇した背景には長引く物価高のあおりで肥料や農薬などの生産コストが高止まりし、コメ農家の経営が苦しい現況がある。コメ不足で米価が高騰する中、価格に見合った収入を得られなければ生産意欲がそがれ、作付けをやめる農家が増えかねないためだ。

 米どころの本県でもJAグループ以外の業者との集荷競争が過熱し、生産者概算金を超える金額を示す例が出ており、各JAは概算金を引き上げることで集荷率の向上と取引先への安定供給につなげたい考えだ。

 各JAが生産者概算金の判断材料とする全農の「JA概算金」を巡っては、新潟、宮城、栃木各県の主要銘柄で3万~3万2500円に引き上げられた。JA全農福島は集荷競争が過熱する恐れがあるとして、JA概算金を公表していない。

 過剰競争防止で非公表、会津よつば

 JA会津よつばは、生産者に前払いする2025年産米の「生産者概算金」を「過去最高額」としたが、金額は明らかにしていない。非公表の理由を「(一般業者との)過剰な価格競争を防ぐため」と説明した。

 土屋勇雄組合長は「価格(競争)が先行し、消費が冷え込む『買い控え』が起きてしまってはいけない。産地での過剰な競争を何としても避けたい」と強調した。

 JA東西しらかわも生産者概算金を非公表としている。米価高騰から集荷競争が激化する可能性が高く、県内各JAは集荷量の確保に向け、生産農家への働きかけを強めるとみられる。

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