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孤立防止、健康維持などに効果 「相馬井戸端長屋」論文、国際誌に掲載

2025/09/18 10:45

伊東尚美助教

 福島医大医学部放射線健康管理学講座の伊東尚美助教らの研究グループは、東日本大震災で被災した高齢者を対象に相馬市が整備した集合住宅「相馬井戸端長屋」について、孤立防止や健康維持などに効果があったとする論文をまとめた。論文は国際誌に掲載された。

 研究グループは2020年、震災を機に長屋に入居した60~90代の32人(平均年齢79・8歳)にインタビューを実施。内容を分析し、共通テーマを抽出して役割や効果をまとめた。

 長屋が果たした役割については「人や地域とのつながりの再構築」「健康や尊厳を保ちながらの自立支援」「災害に脆弱(ぜいじゃく)な高齢者への社会的セーフティーネットの提供」などが挙げられた。

 論文では「低廉な家賃や昼食配達、職員による日常的な見守り、近隣住民との交流などを通じ、安心して暮らせる環境を提供していた」とし「個人の尊厳を守りながら災害後の高齢者の暮らしを支える『地域包括型住宅モデル』として機能していた」と結論付けた。

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