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解決料要求の人物、街宣止める影響力持っていたか「疑問」 いわき信組不正

2025/11/04 08:00

不正融資でつくった資金を反社会的勢力に提供していたことが明らかになったいわき信用組合

 いわき信用組合(福島県いわき市)が不正融資で捻出した資金を反社会的勢力に提供していた問題で、1990年代から信組に不当要求を続けていた反社会的勢力と認められる人物は当初、信組に対する右翼団体の街宣活動をやめさせる解決料の名目で資金を要求したが、実際は街宣活動をやめさせるような影響力を持っていなかった可能性があることが、特別調査委員会の調査報告書で分かった。

 報告書によると、94年ごろ、信組本部や当時の鈴木勇夫理事長の自宅周辺などで、全国規模の右翼団体が信組幹部の素行や、信組と暴力団関係者の癒着を糾弾する街宣活動を繰り返した。

 反社会的勢力と認められる人物は、信組と右翼団体の仲介役を務めると申し出て、解決料の名目で3億円超の現金を要求。鈴木氏らはこれに応じた。鈴木氏が理事長を務めた2001年までの期間中、信組が同様の名目でこの人物に、断続的に計数億円を支払ったことがうかがわれるという。

 だが特別調査委の調査では、この人物と右翼団体の関係は判然とせず「あたかも右翼団体に対して街宣活動をコントロールできるほどの影響力を有しているかのような言動はブラフ(はったり)に過ぎなかったとも考えられる」と指摘した。

 この人物は04年に理事長に就いた江尻次郎元会長に対しても、不正資金の口止め料などとして断続的に資金を要求した。特別調査委は「反社会的勢力からの脅しに屈して資金提供を行った場合、そのことも弱みとなり、その後も繰り返し反社会的勢力による不当要求の餌食となることは容易に想像できる」とした。

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