道路や橋梁(きょうりょう)、河川の設計、測量のほか、猛禽(もうきん)類をはじめとした希少動物の環境影響調査や地図データを利用したシステム開発など、手がける業務は幅広い。「究極の地元」を掲げ、県内で他の追随を許さない総合力を生かした「総合建設コンサルタント」として、持続可能なまちづくりに貢献している。
「陸奥測量」の名称で創業し、今年65周年を迎えた。創業当時は測量が業務の中心だったが、近年は大手の建設コンサルタント企業にも引けを取らない技術力を生かして仕事の幅を広げ、雇用も含めた地域経済の循環と活性化につなげている。
事業の多角化は、4代目となる伊藤清郷社長(56)の方針だ。2003年の社長就任後、「公共事業は縮小し、老朽化した社会基盤の管理、自然環境との共生はますます重要になってくる」との考えから「総合型」の企業へかじを切った。
乗用車に搭載する移動式3次元計測システムやドローンなど、業務では最新技術を取り扱う。自社開発した地理情報システム(GIS)は、県内の複数の自治体で導入されている。「新しい技術への挑戦が社員の成長につながる」と伊藤社長。業界の慣習だった長時間労働の是正や福利厚生の充実を通じて、働きやすい環境も整えている。
伊藤社長は「社員の一体感が会社の特長。感謝の心を忘れず、社員の幸せと顧客の喜び、信頼を得て成長と進化を続けたい」と話す。
◇所在地
郡山市若葉町17の18(本社)
◇創業 1960年
◇売上高 12億5000万円
◇従業員数 102人
◇勤務形態 正社員、パート社員
◇事業内容 建設・補償コンサルタント、測量、情報システム
◇公式サイト https://www.mutsu-s.co.jp/
