昨年10月の衆院選を巡り選挙区内で公示直前に現金25万円を配ったとして、公選法違反(寄付行為)の罪で在宅起訴された元衆院議員の無職亀岡偉民被告(70)の第3回公判は5日、福島地裁(島田環裁判長)で開かれた。証人尋問が行われ、二本松市の祭礼で亀岡被告から現金を受け取った男性は「亀岡被告の名前が書いてある封筒を本人から渡されたので、亀岡被告から祭りへの祝い金だと思った」と証言した。
公判では祭りの主催、運営団体などへの寄付の主体を巡り、検察側は亀岡被告本人、無罪を訴える弁護側は福島メセナ協議会と主張が分かれている。
証人として出廷した男性は、当時地元の祭典委員会の庶務を務めていた。男性は尋問で、亀岡被告が昨年10月5日、1人で祭典事務所を訪れ「おめでとうございます」と言って封筒を渡したと証言した。
検察側は、亀岡被告が使用したとみられる封筒と、その中に入っていたのし袋を法廷のモニターに映した。封筒には「若連御中」「亀岡よしたみ」、のし袋には「会費」「衆議院議員亀岡偉民」と書かれていた。
ただ、男性によると、会費の徴収対象は36歳以下の地域住民でつくる若連の会員で、亀岡被告は会員ではないという。若連宛てのため、男性は受領時に金額を確認しなかったとした。
また、男性は封筒を受け取った際に、亀岡被告から福島メセナ協議会の名前は聞いていないと説明。同協議会の名前について「今回の事件の取り調べで初めて聞いた」と述べた。
次回は24日午後2時から証人尋問が行われる。
