【上海共同】中国最大級の総合食品見本市が19日、上海で開幕した。約110カ国・地域の食品企業など約5千社が参加。米国と関税を巡り対立する中国が貿易多角化を進めるとにらみ、各国企業は商機拡大を狙って営業攻勢を強化。日本勢も売り込みを図った。
参加企業が肉類や水産品、乳製品、レトルト食品や酒といった多彩な商品を並べ、中国企業のバイヤーらと活発に商談した。米中両国を輸出先とする企業からは、トランプ米政権の関税政策への懸念から「中国を市場として、より重視する」との声が上がった。
日本貿易振興機構(ジェトロ)のジャパンパビリオンには調味料や菓子などを販売する企業約40社がブースを設け、来場客でにぎわった。ジェトロ上海事務所の本宮佑規農林水産・食品部長は「日本の対中食品輸出額は今年に入り上向く一方、一部の食品関係者からは対米輸出への不安が聞かれる」と話した。
中国企業の関係者らは「関税戦争が始まって以降、米国からの輸入を減らした」「米国以外の取引先を開拓している」などと話し、米国向けのビジネスに慎重な姿勢を示した。