文章などを自由に投稿できるサイト「note(ノート)」の運営会社は、利用者が書いた文章を生成人工知能(AI)の学習データとする代わりに、本人に対価を支払う実証実験を始めた。これまでの1人当たりの金額は最高で40万円に上った。加藤貞顕CEOはインタビューで「クリエーターが納得できる仕組みが必要だ」と指摘。創作活動とAIの共存に向け、新たなルールを模索する考えを示した。
著作権法では原則として、AIの学習に著作物を許諾なしで使える。このため、データを無断で使用されることへの懸念や反発の声がクリエーターから上がっている。
noteは年間1千万件規模の投稿がある国内最大級のプラットフォーム。閲覧数のランキングと広告がないのが特徴だ。
実験の第1弾は2月に開始。希望者のみを対象とし、1200人超が参加した。対価の金額は閲覧数やフォロワー数のほか文章の構成、表現、専門性などから独自のアルゴリズム(計算手法)で算出した。総額は502万8千円だった。
得られたデータはAI事業者に提供する。