中国企業がスポーツの国際大会で存在感を増している。自動車レースのF1でパソコン世界最大手聯想(レノボ)グループが最高位スポンサーに就任。中国電機大手TCLや海信集団(ハイセンス)、自動車大手の比亜迪(BYD)もスポンサーとして五輪やサッカーに資金や最新機器を提供する。イメージ向上が狙いだ。
4月に三重県鈴鹿サーキットで開かれたF1日本グランプリ。レノボの担当幹部ララ・ロディーニ氏は記者会見で「F1のデジタル化を助ける」と強調した。今年からF1の「グローバルパートナー」になり、日本グランプリでは冠スポンサーを務めた。
NECや富士通のパソコン事業を買収したレノボにとって、日本は重要市場だ。冠スポンサーは過去にホンダなどが担い、レノボ幹部は「存在感をさらに高めたい」と話す。
国際大会への支援は他の中国企業にも広がる。TCLは2月に五輪の最高位スポンサー契約を結んだ。24年末にトヨタなど日本勢が契約を終え、穴を埋める動きとして注目された。BYDも24年のサッカー欧州選手権でスポンサーになった。