「全面勝訴」との垂れ幕が示されると、裁判所前の支援者らはわき上がり、大きな拍手の音が響き渡った。東京高裁は28日、一審に続き大川原化工機に対する捜査の違法性を認めた。自社で培った技術を悪用しているという捜査機関の見立てにあらがい続けてきた大川原正明社長(76)は「誇りを持ってやってきた仕事を裁判所が認めてくれた」と笑みを浮かべた。
判決言い渡しは30分近くに及んだ。原告席に座った大川原社長は、最後まで聞き終えると代理人の高田剛弁護士に頭を下げ表情を和らげた。
「(捏造などと)警察官が法廷で証言したことに踏み込んで事実認定してくれた」。