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火山岩の虹色は「構造色」 産総研、三原山の試料分析

2025/05/30 15:02

 表面に虹色が見られる火山岩「スコリア」(産業技術総合研究所提供)

 スコリアと呼ばれる黒っぽい火山岩の表面に見られる虹色は、鉱物に含まれる色素の色ではなく、表面の微細な凹凸が特定の波長の光を反射する「構造色」だと分かったと、産業技術総合研究所のチームが30日までに日本鉱物科学会誌に発表した。構造色は、CDやチョウの羽でも見られる発色の仕方だ。

 分析には1986年の伊豆大島・三原山の噴火で出たスコリアを使用。表面を電子顕微鏡で観察すると、コンペイトーのような結晶が密集していることが分かった。急速に冷えた部分は結晶の粒が小さく、青く見えた。冷えるのに時間がかかった部分ほど粒は大きくなり、黄色や赤色へと見え方が変わっていた。

 岩の表面構造は、マグマとしてたまっていた地下から地上へ噴き出すまで、どんな環境にさらされてきたかで決まる。

 チームの松本恵子博士は「虹色のスコリアは美しいだけではない。直接観察することができない噴煙内部の温度やガス環境の変化を知る手がかりになる」と話した。

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