【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)の通商担当閣僚を務めたマルムストローム元欧州委員(57)が30日までにオンラインで共同通信の単独インタビューに応じ、日本も参加する環太平洋連携協定(TPP)に「EUは加盟を追求すべきだ」と述べた。米国が保護主義に傾く中、自由貿易の維持に向けて「ルールや基準の策定で協力すべきだ」と強調。日本の支援にも期待を示した。
マルムストローム氏は貿易に関するEUの責任者として第1次トランプ米政権に対峙。日本との経済連携協定(EPA)をまとめた実績もある。
TPPへの加盟交渉開始には、全加盟国の同意が必要となる。EU27カ国の合意形成も求められ、ハードルは高い。「時間がかかり、複雑なプロセスになるだろう」と認めた上で、加盟に至らなくても「(貿易を促進するための)合意ができる余地はある」と言及。TPPで検討しているデジタル取引の環境整備や、気候変動対策での協力について、EUも「できるだけ早く協議に参加するべきだ」と訴えた。