日本人初のアーベル賞を受賞した京都大数理解析研究所の柏原正樹特任教授(78)は4日、授賞式が行われたノルウェーからの帰国後、初めてとなる記者会見を開いた。授賞式について「荘厳な雰囲気だった。うれしい」と振り返り、数学者を志す若手に向け「どんな小さなことでも良いから新しいことに挑戦してほしい」と呼びかけた。
柏原さんは先月20日、オスロで授賞式に出席した。
数学には「代数学」「幾何学」「解析学」の3分野があり、賞ではこれらの分野を「D加群」と呼ばれる理論で結びつけたことも評価された。柏原さんは「三つを渡り歩く船に乗って活躍できた」と振り返った。アーベル賞は数学のノーベル賞とも称される。