技能実習に代わる外国人材の新たな受け入れ制度「育成就労」に関し、政府は17日、農業や宿泊など9分野では最初の受け入れ先で1年働けば、本人の意向で職場を変える「転籍」を可能とする案を有識者会議に示した。それ以外の8分野は、転籍制限期間を2年とする。政府は有識者会議での議論を経て、年内に閣議決定を目指す。
技能実習では原則転籍が認められず失踪者が続出したことなどから、育成就労では日本語能力など一定条件の下、本人の意向による転籍を認める。3月に閣議決定した基本方針では、転籍制限期間を1年とすることを目指しつつ、当面は対象分野ごとに1~2年の間で設定すると明記した。
案によると、2年とする8分野は建設や外食業などで、必要な技能や専門的知識を習得するのに一定期間を要すると判断した。受け入れ先は、2年目に移行する際に原則として昇給が義務付けられる。
外国人材の確保・育成を目的とする育成就労は2027年度に開始予定で、期間は原則3年。即戦力を受け入れる「特定技能」への移行を促し、中長期的な就労につなげる。