いわきFC、好機ふい 栃木とドロー セットプレー守備は改善
09/30 09:20
【サッカーJ2第33節】いわきFCは29日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で栃木SCに0―0で引き分けた。通算で14勝8分け11敗、順位は20チーム中8位。次戦は10月5日、アウェーの藤枝総合運動公園サッカー場(静岡県)で11位藤枝MYFCと戦う。午後5時開始予定。
【評】いわきはゴールが遠かった。試合を通じ、いわきがボールを握り、栃木がカウンターで迎え撃つ構図となった。いわきは前半、相手のロングボールとセットプレーに手を焼きながらも、味方同士の連係で複数の好機をつくった。後半は攻勢を強め、15分ごろからは相手を押し込む展開が続いた。しかし、栃木の分厚い守りを前に、得点を奪うことはできなかった。(小磯佑輔)
谷村、昇格POへ危機感
決定機を逃し、相手を仕留めきれなかった。いわきは、前後半に大きな好機を一つずつ迎えたがゴールを奪えず。昇格プレーオフ進出へ負けられない試合が続く中、MF谷村海那は「強みを一つ防がれた時、その後がない。これではプレーオフにはいけない」と危機感を口にした。
前半はクロスのこぼれ球にFW有馬幸太郎が反応し、相手GKと1対1になったが、ヘディングシュートは枠の外。後半は、谷村が相手DFラインの裏に抜け出したが、ドリブルが大きくなってしまい、相手GKにボールを取られてしまった。
決定機を生かせなかったことが悔やまれるが、チームはその数自体が少なかったことも問題視する。選手から「分析されている」との声が上がるように、この日も主要な得点パターンとしているサイドからのクロスを警戒されたことで、最後まで攻めあぐねた。谷村は「クロスのコースを防がれたなら、中にボールを出して(選手が)入ってくるとか。自分やタロウ(有馬)がマークされているなら、ほかの選手でも点を獲れないといけない」と話す。
ただ、J2残留が懸かった栃木を相手に無失点と、守備には収穫があった。田村雄三監督も「結果がどちらに転んでもおかしくなかった。よく守ったとも言える」と語る。課題となったセットプレーの守備に改善が見られた。DF大森理生は「この勝ち点1が最後の最後で生きてくると信じてやっていきたい」と前を見据えた。(小磯佑輔)
杉山、攻守に献身
FW杉山伶央が今季初先発を果たした。事前に決められていた前半45分間のみの出場だったが、随所で強みのドリブルや連係した攻め上がりを披露。「緊張しないタイプだが今日は流石に緊張した。それが逆に良い試合の入りにつながったと思う」と振り返った。
約半年ぶりの公式戦出場を果たした前節から「状態は上がってきていた」と杉山。「(自分が出られない間に)活躍している人たちがいてこその出場だと思って望んだ」の言葉通り、攻守に献身的な姿勢を見せた。ゴール前にドリブルで切れ込んでミドルシュートを打つなど見せ場もあり「自分の特徴を出すことはできたと思う」と振り返った。