陸上の世界選手権東京大会第2日は14日、国立競技場などで行われ、400メートル予選で女子の松本奈菜子(東邦銀行)は落選した。
アジア女王としての誇りを胸に臨んだ女子400メートル予選。松本は積極的な走りで駆け抜けたが、5組7着の52秒41で悔しい敗退となった。世界選手権で自身初となる個人種目の出場を終え「前半頑張りすぎた。もう少し落ち着いて走っても良かった」と目元を潤ませた。
トレーニングを繰り返し、体にたたき込んだ走りを目指した。「前半に加速し、スピードに乗った勢いで前に進む」。だが気持ちがはやって前半からハイペースとなり、後半の伸びを欠いてしまった。
世界選手権では混合1600メートルリレーの予選、決勝を含む3本のレースを経験。つかんだのは、世界と自身との立ち位置だ。選手間の駆け引きや勝負どころの見極め方など「肌で感じる世界の当たり前を実感できた」と前を向く。
「日本新記録を出す」。松本が日ごろから口にしている目標だ。日本記録は千葉(旧姓丹野)麻美さん=矢吹町出身=の51秒75。安定して52秒台を出せる一方、偉大な先駆者には「全然近づけていない」と感じている。「選手としてもう一つ突き抜けるため、課題に取り組んでいく」と一層の飛躍を誓った。