福島県福島市から山形市を経由し、秋田市までを結ぶフル規格の奥羽新幹線の整備実現へ議論の基盤を整えようと、「奥羽新幹線検討会」が21日、発足した。奥羽新幹線の整備と福島駅前再開発との連携の可能性や、福島市の交通結節点としての機能強化、観光振興などについて検討を進め、来年8月に提言を取りまとめる。
奥羽新幹線は、国が1973年に全国新幹線鉄道整備法に基づき、基本計画に位置づけたが、県内では具体的な推進の構築に至っていない。福島駅が東西をつなぐ要衝として再評価され、福島駅前のにぎわい創出につながることを期待し、福島青年会議所(JC)まちづくり委員会が、奥羽新幹線の意義を考えるため検討会を発足させた。
福島市で行われた発足式では、福島JCの尾形翔平理事長が「人口減少が叫ばれる中、東北6県の地域間交流を考えるきっかけにもしたい」とあいさつした。
検討会には、福島JCなど7団体が参画、県や福島市はオブザーバーとして参加。他地域の新幹線整備の成功事例を研究し、奥羽新幹線整備による福島駅周辺への効果などを検討する。5回の検討会を経て提言を取りまとめる方針で、第1回は11月に予定している。
構想紹介パネル展示
奥羽新幹線構想について知ってもらおうと、同日、福島市のJR福島駅前にぎわい広場で「奥羽新幹線みらいフェス」が開かれた。
会場には、奥羽新幹線のルート上にある福島、山形、秋田の3県のご当地グルメや、奥羽新幹線構想と現状について紹介するパネルが並んだ。「たまごっち」の作者やすこーんさんによる鉄道のお絵かき体験ができるワークショップや、周遊型のミニトレインに乗車できるコーナーも設けられ、家族連れなどが休日のひとときを楽しんだ。