伊達署長岡駐在所の佐藤昌宏所長(55)は今夏、伊達市の民家で、熱中症で倒れていた高齢女性を発見、救助した。きっかけは、警察官が家庭を訪問して意見や要望を聞いたり、事件・事故防止の情報を届けたりする「巡回連絡」だった。
同署などによると、7月3日午前11時半ごろ、佐藤さんは巡回連絡で1人暮らしの女性(68)の住宅を訪れた際、ドアに貼られた「SOS」の新聞紙と、ドアが無施錠だったことに違和感を覚えた。住宅のリビングで倒れている女性を発見、急いで救急車を手配するとともに女性の親族に連絡して救助に当たった。
約5年にわたる同駐在所での勤務で、巡回連絡では1人暮らしの住宅から事業所まで約3千件を担当。住民に振り込め詐欺の対策法を紹介し、有事の際の緊急連絡先を確認している。警察官を装う「なりすまし詐欺」が発生する中で「本当に警察官か」という住民の不安にも、説明して理解を得られるよう努めている。
今回、救助された女性も最初の巡回連絡では警戒心があったが、今では「声をかけてもらうことは1人暮らしには大切」と感謝する。「できるだけ多くの住宅を巡回し自主防犯意識の向上を図りたい」と佐藤さん。住民の理解と協力を得るための努力を続けるつもりだ。