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マウス脳8割に1日リズム 睡眠、覚醒時解析へ期待

2025/11/14 05:52

 活動のピークとなる時間帯を色分けしたマウスの脳の断面図(上田泰己東大教授提供)

 東京大や久留米大の研究チームは、マウスの脳全体の活動を可視化して観察し、約8割の領域で24時間周期の活動リズムを確認したと、13日付米科学誌サイエンスに発表した。睡眠や覚醒時の脳の働きや、脳に作用する薬の効き方をマウスで解析するのに役立つと期待している。

 チームは、12時間で明暗が切り替わる環境で雄のマウスを2週間飼育した後、脳の活動リズムがどのように変わっていくかを調べるため、暗い環境下で4時間おきに2日間にわたり、6匹ずつの脳を取り出した。一連の作業を再度繰り返し、計144匹を分析した。

 チームの上田泰己東大教授(システム生物学)らが開発した臓器や全身を透明化する技術を利用した。脳を透明にし、神経活動が活発になった際に出るタンパク質を目印に染色すると、脳全体の642領域のうち508領域で朝、昼、夜と活動が周期的に変化していた。マウスは夜行性であることから、領域の多くが夜に活発化していた。

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