【子育て応援隊】子どもを預ける施設 特徴理解した選択大切

 

 保護者が仕事や病気などで子どもの世話ができないので預けたい、未就学児の学びのために通わせたい、と考えたとき、どんな施設を選びますか? 保育所、幼稚園、こども園などがありますが、一体どんな違いがあるのでしょうか。利用申し込みは一体いつから、どうやって? 小学生が利用する放課後児童クラブはどんな施設なのかも知りたいところです。今回は子どもを預ける施設について紹介します。

sanmen2.jpg ◆保育所 就労などの条件必要

 0歳から対象 利用時間2種類

 仕事や病気などの理由で、日中、家庭で保育できない保護者に代わって乳幼児を保育する児童福祉施設です。認可保育所を利用するには、保護者の就労や出産、病気など居住する市町村が定める「保育を必要とする事由」に該当し、市町村から「保育の必要性の認定」(教育・保育給付認定2号・3号認定)を受ける必要があります。

 対象は0歳~小学校就学前の乳幼児です。0~2歳を対象に、保育所より少人数の子どもを保育する地域型保育施設もあります。

 開所時間はおおむね午前7時から午後6時(延長保育は同7時)ごろまで。利用できる時間は「保育を必要とする事由」によって異なり、1日最大11時間(保育標準時間)か、同8時間(保育短時間)に分かれます。例えば、福島市の場合、事由が月120時間以上の就労や母親の出産、病気なら1日11時間、月64時間以上120時間未満の就労や求職活動なら1日8時間まで利用できます。

 新年度受け付け 10月ごろから

 認可保育所に4月入所の場合、早いところで前年10月ごろから申し込み受け付けが始まります。

 申し込み方法は各市町村によって異なりますが、多くの市町村が2週間から2カ月程度の申し込み期間を設け、一斉に受け付けます。市町村による利用調整を経て、12月~翌年2月ごろに結果が通知されます。福島や郡山、いわきの各市などは2次募集期間も設けています。

 申し込み期間や方法など詳しくは9、10月ごろに各市町村が発行する広報紙や公式ホームページで公表されます。

 市町村による利用調整が不要で、直接申し込みができる認可外保育施設もあります。

 ◆幼稚園 学びの基礎をつくる

 小学校以降の教育の基礎をつくるため、幼児期の教育を行う施設です。保護者の就労など、入園に必要な条件はありません。

 長期休暇中は預かり保育実施

 対象は3歳から小学校就学前までの幼児ですが、満3歳から預かる施設もあります。朝から昼過ぎごろまでの4時間程度、各施設の教育課程に基づいた活動を行います。多くの施設で日曜祝日のほか、夏、冬、春に長期休暇がありますが、教育時間の前後や長期休暇中は「預かり保育」を実施しています。私立は送迎バスを持つ施設が多く、子どもの登園・降園に利用できます。昼食は施設によって弁当持参、給食、弁当と給食の併用の3パターンがあるようです。

 入園申し込みは各施設で受け付けていて、4月入園の場合、前年10月ごろから受け付けが始まりますが、施設によって異なります。

 いわき市では、公立11施設の申し込みを10月上旬~中旬に各施設で受け付けています。子どもと一緒に来園してもらい、申し込みの手続きをした後、面接で子どもの成育状況などを聞きます。年内に入所決定通知が届くそうです。

 ◆認定こども園 教育と保育一体的に

 幼稚園と保育所の機能を併せ持ち、教育と保育を一体的に提供する施設です。

 保育所部門(0歳~小学校就学前)と、幼稚園部門(3歳~小学校就学前)があり、保育所部門は朝~夕方、幼稚園部門は朝~昼過ぎまで子どもを預かります。県内には保育所、幼稚園からこども園に移行した施設も多くあります。

 3歳以上は保育所部門と幼稚園部門がありますが、部門ごとにクラスや活動を分けることなく一緒に活動し、幼稚園部門の利用児は昼過ぎに、保育所部門の利用児は保護者の就労などに応じて夕方に降園します。預かり保育や延長保育もあります。

 休日は保育所部門の場合は日曜祝日と年末年始のみ、幼稚園部門は日曜祝日に加えて春夏冬の長期休暇を設けている施設がありますが、施設によって異なります。昼食も給食提供や弁当持参などさまざまです。

 申し込み方法は部門ごとに違う

 入園の申し込み方法は保育所部門と幼稚園部門で異なります。保育所部門は認定保育所と同様に、居住する市町村から「保育の必要性の認定」(2、3号認定)を受ける必要があり、主に各市町村へ申し込みます。4月入園の場合、認定保育所と同様に前年10月ごろから各市町村で一斉に申し込み受け付けが始まります。幼稚園部門は他の幼稚園と同様に施設に直接申し込みます。

 会津若松市には、認定こども園が18施設あります。幼稚園は2施設のみで、多くがこども園に移行しました。4月入園の申し込みは、保育所部門は他の認可保育所と同様に10~12月に一斉の申し込み受け付け期間を設けていて、翌年2月中旬ごろに結果が通知されます。一斉受け付けに間に合わなかった場合、2月1日までなら随時受け付けしているそうです。幼稚園部門は各施設で募集期間が異なり、直接申し込みます。
 

 実際に見ることが一番

230821news021.jpg写真=エムポリアムこども園の合同見学会で職員から説明を受ける参加者

 ◆雰囲気、立地...ポイントいろいろ

 県内の保育所、認定こども園、幼稚園では、各施設の特長を知った上で保護者に入所・入園を検討してもらおうと、見学を受け付けています。

 郡山市のエムポリアムこども園では今年6~11月に計11回、合同見学会を開催。教育内容や入園申し込み方法、利用料などを説明し、実際に園児の活動の様子や園舎のつくりなどを見てもらっています。
 見学は個別でも対応しますが、希望者が多いため合同見学会を設定し、保護者のニーズに合わせて平日と土曜日に開いています。

 7月29日に開かれた見学会には、0~2歳の子どもの保護者ら9組が参加しました。来年度の入園募集要項が配られ、幼稚園部(1号認定)と保育園部(2、3号認定)で異なる申し込み方法や受け付け開始時期、利用料について説明を受けました。園舎内も見学し、教室や土曜保育で登園している子どもの様子も見て回りました。

 参加した郡山市の公務員女性(33)は、0歳と2歳の子ども2人を、仕事に復帰する来春から預ける施設を探しています。生活圏にあり、できれば教育内容が充実している園に預けたいと考えているといい、「この園は習いごともしてくれるので魅力的。ただ、入園希望者の多い人気の園なので、2人一緒に入れるかが悩みどころです」と話しました。

 施設の選び方について、平栗光弘園長(70)は「その施設の特長が保護者の希望と合うか、施設の雰囲気や立地、幼稚園部の場合はバス送迎のルートに沿うかなど、実際に見て聞いて確認した方がいいです。また、保育料は無償化されていますが、教育内容を充実させている分、教材費など月々の負担額があり、確認が必要です」とアドバイスします。

 
 放課後児童クラブ 小学生向け生活の場

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 放課後や学校が休みの日に、保護者が仕事などのため家庭にいない小学生を対象に、遊びや生活の場を提供する事業です。こどもクラブや学童クラブなど、さまざまな名称がありますが、事業内容は同じです。
 多くが小学校の敷地内に併設されていますが、児童館や事業所内のほか、卒園児を対象に実施している認定こども園もあります。

 利用料などは幅がある

 学校登校日は下校後から午後6時ごろまで、夏休みなど長期休み中は朝から開所します。通年でなく、長期休み中のみ利用できる所もあります。利用料は運営団体や市町村によってさまざまで、月額数千円から1万円を超えるところまであります。

 新1年生が4月に入所する場合、前年10月ごろから申し込みを受け付けるところが多いですが、申し込み方法や時期は運営団体や市町村によって異なります。秋頃に行われる就学時健康診断の際に案内を配る市町村もあります。

 郡山市は公立の児童クラブを小学校単位で設置しています。児童は通学する小学校の児童クラブに入所することになります。50小学校85クラブがあり、4月入所の場合、一斉の申し込み期間を設けて受け付けます。1~3年生は前年11月に受け付け、年明け1月に決定通知が届きます。4~6年生は1月に受け付け、2月に決まります。利用料は全学年一律で月額4800円です。公立の児童クラブの開所時間内の送迎が難しい場合などは、民間の児童クラブを案内されます。

 新1年生は前年10~11月に各校で行われる就学時健診の際に入所案内が配布されます。

 福島市では利用できる児童クラブが学区ごとに決まっていません。申し込み方法や時期は運営団体によって異なるため、各団体に確認が必要です。