東京・銀座の老舗映画館「丸の内TOEI」(東京都中央区銀座3丁目)が、東映会館の再開発に伴い、7月27日をもって劇場としての営業を終了した。東映最後の直営館であり、日本最後のロードショー劇場としても親しまれてきた同館は、65年にわたる歴史に幕を下ろした。
【画像】最後の舞台あいさつに駆けつけた吉永小百合
今年1月16日に行われた「東映ラインナップ発表会」にて閉館日がアナウンスされ、5月9日からは「さよなら 丸の内TOEI」と題して、80日間で100本以上の傑作特集上映を実施。東映ゆかりのレジェンド俳優による舞台あいさつやイベントも連日行われ、映画ファンとともに別れを惜しんだ。
最終上映作品は『動乱 第1部 海峡を渡る愛/第2部 雪降り止まず』(1980年公開)。上映前には東映第7代社長の吉村文雄氏が登壇し、「ここまで続けてこられたのは皆さまのおかげ。劇場がなくなっても、皆さまの記憶に残り続ける存在でありたい」と感謝の言葉を述べた。
さらに、同作に出演した俳優・吉永小百合もサプライズで駆けつけ、客席からはどよめきが起きた。吉永は「私がここで最初に舞台あいさつをしたのは、1980年1月15日の『動乱』初日でした」と振り返り、「今日は空の上で、高倉健さんや森谷司郎監督、岡田裕介プロデューサーも見守ってくださっていると思います。映画館で映画を観る素晴らしさを忘れたくない」と語った。
その後、吉村社長は地下の丸の内TOEI(2)へ移動し、最終上映作品『ONE PIECE FILM RED』(2022年公開)の観客にも「歴代興収1位の東映作品であり、『動乱』同様に最後を飾るにふさわしい」と語った。
終映後、劇場の入口前には吉村社長や小林恵司支配人ら劇場スタッフが並び、観客を見送った。吉村氏は「65年間かわいがっていただき、ありがとうございました。これだけ多くの方に見送られて、この劇場も喜んでいると思います。東映はこれからも映画を作り続けていきます」とあらためて感謝を伝えた。
ガラス扉が閉まりロビーの照明が落ちると、歩道に詰めかけたファンから「丸の内TOEIありがとう!」「東映、愛してる!」と声が上がった。「子どもの頃から『東映まんがまつり』で通っていた」という往年のファンや、「閉館を知って初めて来た」という若者まで、さまざまな世代が劇場の最後の姿を見届けた。
東映では同劇場で使用されてきたスクリーンや座席、緞帳をアップサイクルしたメモリアルグッズのクラウドファンディングを7月31日まで実施している。
■銀座の顔として歩んだ65年
丸の内TOEIは、1960年9月20日、東映の現本社ビル「東映会館」内に「丸の内東映」と「丸の内東映パラス」として開館。開館作品は二代目大川橋蔵主演『海賊八幡船』(沢島忠監督)だった。2004年に「丸の内TOEI」に名称を統一し、2スクリーン体制で銀座のランドマークとして親しまれてきた。2025年5月9日から閉館に向けたプロジェクト「さよなら 丸の内TOEI」を展開し、劇場の最終営業日となる同年7月27日に108作品の上映ラインナップを掛け終え、動員4万6120人・興行収入7761万8400円を上げ、「丸の内TOEI」最後の80日間を彩った。
東映最後の直営館「丸の内TOEI」65年の歴史に幕 吉吉永小百合も駆けつけ「映画館で観る素晴らしさを忘れたくない」
2025/07/28 07:54
- 映画
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