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ネット世代が再発見 からくり時計の魅力  わらべ館 開館30周年記念展「はまなす団監修 からくり時計の世界 -時を彩る総合芸術-」を開催

2025/10/17 19:10

  • 公益財団法人鳥取童謡・おもちゃ館
  • イベント
公益財団法人鳥取童謡・おもちゃ館
※「はまなす団」: からくり時計に沼る20代ユニット。全国でからくり時計の調査・研究を続ける。

童謡・唱歌とおもちゃをテーマにしたミュージアム「わらべ館」(鳥取県鳥取市)は、開館30周年を記念し、特別展「はまなす団監修 からくり時計の世界 -時を彩る総合芸術-」を開催いたします。
からくり時計の持つ、日本人の技術と文化的な価値を多くの人に再認識してもらうことが目的で、入場無料で2025年11月2日(日)から約1ヶ月展示を行います。会期中、ギャラリートークやミニシンポジウムを行います。



大型のからくり時計は、1980年代から1990年代にかけて、日本経済の成長と歩調を合わせるように、特にバブル期には自治体による公共投資も後押しとなり、全国の公共施設や商業施設に次々と設置されて大ブームを巻き起こしました。コンピューター制御によって多彩な演出や表現が可能なからくり時計は、地域のシンボルとして人々に親しまれています。  

そして、細やかな技術が必要なからくり時計の製作は、日本人の職人による高度な技術やアーティストの芸術性を知る歴史的な文化でもあります。

最盛期には全国で約1,200基が稼働していたとされますが、2000年代以降は、街角の再開発やからくり時計の老朽化、維持管理の問題などにより設置数が減少。現在では約400基弱まで、数を減らしています。
(はまなす団の調査による)

本展では、からくり時計の専門家としても活動を拡げる「はまなす団」監修のもと、全国から集めた、観光地のシンボルともいえるからくり時計を再現した高さ3メートルの作品をはじめ、アーティストが制作した作品や、家庭向けの小さなものまで約50点、映像では14点を紹介します。

わらべ館(鳥取県鳥取市西町)




主な展示作品  

◆わらべ館 からくり時計
鳥取県鳥取市 わらべ館 1995年
文字盤の直径約2メートル30センチ 重量約1.5トン

わらべ館からくり時計

わらべ館のシンボルとして1995年7月の開館と同時に稼働。
午前9時から午後5時まで、1日9回、毎時正時になると音楽とともに人形が動く。
鳥取県岩美町出身の音楽家・田村虎蔵が作曲した「金太郎」「花咲じじい」「一寸法師」
「大こくさま」に登場する昔話のキャラクターの人形が、ウェルカムバンドとして、来館者を迎える。
わらべ館からくり時計動画

人形制作者の大森達郎氏は、東京スカパラダイスオーケストラのメンバー・大森はじめ氏の父親である。2024年10月、鳥取市内で東京スカパラダイスオーケストラのライブが開催された際には、多くのファンがからくり時計を見にわらべ館を訪れた。
◆からくり函 ~お京太夫より~
夢童由里子 制作 夢童アート 所蔵 1999年
幅60センチ、高さ90センチ~140センチ(演出時)、奥行55センチ

お京太夫 ※今回はからくり時計部分のみ展示





からくり函から登場する人形




制作当時は地域PR、愛・地球博などのイベント、作品展などで展示された。
「くぐつ師 お京太夫」が「からくり函」を操り、からくり人形の演技を披露するという演出で制作。「くぐつ師 お京太夫」は、後年、別作品に使用されたため、今回は残されたからくり時計部分を展示する。

夢童由里子(1944‐2015)造形作家、アートプロデューサー
和洋共生をテーマにモニュメント形態を採ったからくり人形を各地に設置。2005年に開催された愛・地球博では恒久保存を前提に、からくりモニュメント「日本の塔・月」を制作。現在も現地で見ることができる。
日本史、ことに尾張藩への造詣が深く、市民運動を先導し名古屋城本丸御殿を復元に導いた。素材に西陣織を用いるなど知識に裏打ちされた人形の美しさと、見るものを驚かせる仕掛けが特徴である。

◆機械式7セグ時計 
からくりすと 制作・所蔵 2024年 
幅20.8センチ、高さ10.3センチ、奥行9.5センチ

機械式7セグ時計

電子表示される数字を機械であらわした時計。
7つの板(セグメント)を歯車やカムを使って機械的に制御することで数字を表示する「7セグメント表示器」を6つ搭載している。動くパーツが多い構造でありながら、静かな動作音・滑らかな数字の切り替えを実現している。使用されたパーツは約500個。

からくりすと
宮城県刈田郡出身。東北芸術工科大学にてプロダクトデザインを専攻。
同大の卒業制作では時刻を筆記するからくり時計「書き時計」を制作。
SNSに投稿した動画が大きな反響を呼んだ。
以来、「構造の可視化」をコンセプトに、機械的な動力伝達のみで構成される構造体「からくり」を制作している。

◆閻魔大王 からくり人形  
白石廉(はまなす団)制作・所蔵 2024年
幅1メートル50センチ、高さ3メートル、奥行1メートル50センチ


閻魔大王 からくり人形

北海道登別温泉にある閻魔大王からくり山車のからくり人形を1/2スケールで再現したもの。地獄の審判の時間になると、閻魔大王が怒りの表情に変化する。

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