(10)秋の思い出 温かい時間よみがえる

 
カボチャをいただいた大内宿の方と。いきなりお店に行って「ごめんなさい」と思っていたんですが、いろいろな話をして、お互いに笑顔になりました。煎餅もおいしかったです

 Bonjour、エミリーです! あらあら、もう秋ですか? 時間が流れるのは本当に早いです。気が付かない間に涼しくなって、葉っぱが黄色になって、太陽の光を優しく感じ始めました。

 なぜか、桜より今の時期が、命の短さを感じます。春は「これから全ての希望が始まります」と思い、秋は「ゆっくり消えます」かな? 「またエミリーが寂しい気持ちになっている」と思われるかもしれませんが違いますよ、元気です!

 季節の移り変わりの素晴らしさを感じれば、白一色の冬も楽しく迎えることができますね。私は毎年、この思いを繰り返しています。

 秋でとてもワクワクすることの一つは、食べ物です。作るより食べる方が得意ですが、毎年9月から料理の「やる気」が出ます。レストランで舞茸(まいたけ)や栗などのメニューが増えるのも楽しみでこの時期はお腹(なか)が大満足!

 子どもの時はフランスで、今の季節には家族と森にキノコと栗を採りに行きました。見つけたポルチーニというキノコを細かく切って、ニンニクと炒めて食べたのが思い出です。母の手作りのカボチャポタージュは優しい味でした。

 カボチャといえば、つい最近のことも思い出しました。実は、「ワタシが日本に住む理由」(BSテレ東)という番組に出演します。撮影は9月末に2日間、大熊町やいわき市、会津で行われました。大内宿にも行って、煎餅店の方と会津弁や私の赤べこのイラスト、頑張りたいと思っている農業などの話をする様子を取材されました。お店の方はとても優しかったです。

 撮影後、駐車場に戻る途中で、遠くから声が聞こえました。お店の方が膝が痛いのに走って、わざわざカボチャを持ってきてくれたんです。そして「農業を頑張って」と言われました。心が温かくなって、100倍頑張るパワーをいただきました。

 撮影ではうまく日本語を話せなかったと思うし、どうすればいいのか分からない時もありましたが、たくさんの人が助けてくれて、おかげさまでとても楽しい時間を過ごせました。協力していただいた皆さんに本当に感謝しています。

 撮影で、秋色の富岡町の桜と大熊町の銀杏(いちょう)を初めて見ました。その時なぜか、フランスで親と散歩して、カフェで温かい紅茶を飲んだ思い出がよみがえりました。景色は違いますが、雰囲気は一緒だな、と思いました。秋の話はここまでです。それでは、また来月!

彼岸花いわきで見た彼岸花です。小さなクモさんもこの立派な花を気に入ったみたいです

大熊町撮影で訪れた大熊町で見た銀杏。9月末はまだ少しだけ黄色でした

 ★エミリーさんが出演する「ワタシが日本に住む理由」はBSテレ東で11月9日夜7時55分から放送予定です。

 エミリー イラストレーター。東京などで語学講師として活動し、2021年2月から県内に移住。趣味は散歩。猫好き。自身のサイト「メリエマリス」で、赤べこのイラストや県内スポットの紹介文とイラストマップなどを公開。オリジナルグッズも多数展開中。