(25)新年の抱負 目の前のことを大切に

 
横浜に住んでいた頃はスーパーで売っている餅しか食べたことがありませんでしたが、大熊に来て手作りの餅の味のおいしさを知りました

 Bonjour! エミリーです。明けましておめでとうございます。

 能登半島地震で、みなさんは大丈夫でしたか? 2024年の始まりは、たくさんの方にとってつらいスタートでした。大変な時に言うフランス語がありますので、言わせていただきます。「Toutes mes pensées pour vous」(祈りはみんなへ)

 新年になったのが分かっていても、去年から「時空に落ちた」ように忙しかったので、1月1日は「12月31日の次の日」としか感じませんでした。ただし、初日の出は見ました。私の人生の中では初めてでした~。みなさん、私はどこから初日の出を見たと思いますか? 答えは簡単すぎて...。もちろん農園から!

 その日は曇っていましたが、太陽が雲から出てきました。「よっしゃ!」と思って、今年の初作業が始まりました。

 フランスでは、新年が始まると「les bonnes résolutions」(新年の抱負)を決めます。例えば、去年はよく時間に遅れていた人は、「今年は必ず早めに着く」と決めるのです。日本に来てから私はあまり抱負を決めていませんでしたが、今年は目の前にあること、人と楽しんでいる時間などをもっと大事にしたいです。先月末のある日からそう思いました。

 その日、大熊の仲間と製材所へ行きました。いつも通り話して、いつも通り笑って、いつも通り面白い木材を見つけて...。「このいつも通りはいつまで?」と急に感じました。今は「当たり前」と思っても、来月はこのときがないかもしれません。

 永遠に生きられたらこの心配はありませんが、いつか私も消えるので、今の時間がすごく大事です。分かっていても「当たり前」になってしまいます。ですが、世界で生きて大好きな仲間や家族と笑える今は奇跡です。1年間でいろいろなことがあるので、忘れないようにこのコラムで書きました。

 お正月は大熊町の餅つき会をとても楽しみました。かるたをしたり、みんなで餅を作ったり、きなこ餅を食べたり、などなど。私は辰(たつ)年生まれで、「年女」としてみんなに餅を投げました(笑)。初めてのことは今年もいっぱいですね。

 また今年もこのコラムで農園のニュースや考えている、見ている、感じていることを書いていきます。読んでくれて本当にありがとうございます。

 今年もよろしくお願いいたします!

農園農園にも雪が降りました。日当たりが良いので次の日から解け始めて、影のところだけ少し残りました

挿し木冬は挿し木をしたり藤を植えたりする時期です。今年は藤棚を作る予定なので、白い藤などを種から大きく育てたいな

 エミリー イラストレーター。東京などで語学講師として活動し、2021年2月から県内に移住。趣味は散歩。猫好き。自身のサイト「メリエマリス」で、赤べこのイラストや県内スポットの紹介文とイラストマップなどを公開。オリジナルグッズも多数展開中。