(26)農家のストライキ もっとフェアな未来へ

 
藤棚ができました。パイプを集めるところから完成までは大きな冒険でした

 こんにちは! エミリーです。

 結構雪が降ったみたいですが、みなさんは大丈夫でしたか?

 大熊町も山が白いコートを着て、とてもきれいでした。こんな天気で作業すると疲れますが、手が冷たくても、藤棚作りを終わらせないといけません。仲間も手伝ってくれました。

 もちろん休憩もして、いつも通りフランス語でSNSやニュースを読みました。皆さんもご存じかと思いますが、フランスでは現在(このコラムを書いている8日時点)、農家さんがストライキをしています。

 苦しんでいる農家さんの話は初めてではありません。これまで何回もありましたが、何も変わっていません。当たり前のことですが、農家さんがいないと農作物を食べられないし、食べられないと生きられないので、とても大事な仕事をしている人たちだと思います。  ですが、赤字じゃない農家さんはほとんどいません。365日、朝から晩まで働いても給料が少ない、または給料を出せない人が多いです。

 私たちが毎日食べられるのは農家さんのおかげなのに、その農家さんたちが食べられないのです。社会は皮肉にあふれ、残酷です。

 ただし、状況が全て真っ暗ではありません。もっとフェアな未来に向かおうとしている取り組みがたくさんあるみたいです。

 「circuit court」(フランス語で「短い道」)という活動は、農家さんから直接買い物をします。畑から大きいスーパーまでは仲介者が多いので、それらが減れば農家さんの利益が上がります。

 新しいスタイルのブランドもできました。お客がアンケートに答えて、それで公平な報酬と売値が決まります。まだ少ない方法ですが、世界が逆に回っても、希望を持っていれば何か変わるのではないでしょうか。

 話が完全に変わりますが、大熊町に引っ越して1年がたちました。咲き始めた梅を見たら去年の同じころの気持ちを思い出し、「早かった!」と思いました。

 畑の様子を見ると時間がたったことがよく分かりますが、自然はタイムレスです。私がいてもいなくても、農園の自然のサイクルは続いています。カメリア(ツバキ)、梅...眠っていた農園が少しずつ起きはじめています。

 やばーっ! 草が出る前にやりたいことがたくさんあります。でもまぁ、いつも通り作業を続けて、農園の1周年に向かっていこうと思います。

 それでは、また来月!


240215emiy7020.jpg藤棚を作っている途中の写真です。大熊町の仲間と一緒に作りました

240215emiy7010.jpg最近イラストの話を全く書いていませんが、企業とコラボしたり、新しい商品を作ったりしています