【御朱印集め】絵柄豊富、寺社巡り楽しく

 
はっぴーねーさんが集めた御朱印の一部。最近の御朱印帳は大きさがいろいろあり、集める楽しみも増えているという

 神社や寺で参拝の証しとなる御朱印。「集め始めると、前より神社仏閣巡りが楽しくなりました」「全国300社ほど巡りました」などのメッセージが読者から寄せられた。そこで、寺社を参拝し御朱印をインスタグラムで紹介する県内の「御朱印スタグラマー」に、お勧めの集め方などを聞いてみた。

 「令和になって御朱印を始める神社やお寺が増え、イラスト入りなどデザイン性が豊かになった」と話すのは、二本松市の会社員斎藤健太さん(31)。2013年ごろから集め始め、すでに御朱印帳は100冊以上。休日には県内だけでなく県外にも出かけて御朱印を集め、インスタグラム(saitou.goshuin)やユーチューブで発信している。

 県内を中心に御朱印を集める御朱印スタグラマーの「happy_neesan(はっぴーねーさん)」は始めてまだ3年目だが、御朱印帳はすでに40冊を超えた。お勧めは、寺社ごとに月替わりの御朱印を集めること。郡山市の高司(たかつか)神社、須賀川市の滑川(なめがわ)神社、神炊館(おたきや)神社などの専用御朱印帳を準備し、毎月参拝している。「季節の移ろいが感じられ、集めた御朱印帳を見ると気持ちがいい」

 はっぴーねーさんによると、神社の御朱印は筆で書かれた墨文字入りが一般的だが、寺は住職らが直接描いた仏像、地蔵、龍などの絵に言葉が添えられた御朱印が多い。最近は、切り絵御朱印、開くと飛び出す仕掛け御朱印などもある。斎藤さん、はっぴーねーさんは御朱印集めで知り合った。「お互いインスタを見ながら情報を集めています」と話す。御朱印集めを通じて、神職や住職から貴重な話が聞けて、参拝の楽しみが増えたという。

 2人が大切にしていることは御朱印を受ける際のマナー。御朱印はスタンプラリーではなく参拝の証し。まずは神仏に手を合わせ、清らかな気持ちになってからお願いする。寺社によって社務所が開いている日時が違うため、交流サイト(SNS)や電話などでよく調べてから参拝している。

 参拝者が増加

 御朱印を頒布している神社にも話を聞いた。上旬、中旬、下旬と月3回のほか、節句などを含め年間約35通りの御朱印を出している高司神社の権禰宜(ごんねぎ)伊藤端要(なおとし)さん(36)は桜、七夕、稲穂、雪の結晶など季節が感じられる絵柄を自作する"はんこ職人"でもある。正月や祭り以外は参拝者が少ない神社だったが、コロナ禍で3年前から御朱印を始めると、今ではカラフルな御朱印を求め、毎日のように参拝者が訪れる。「密を避けて地域の小さな神社が注目されるようになった」と話す。

 毎月100万人以上が利用する御朱印・神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する「DO THE SAMURAI」代表の吉田亮さん(32)は「全国でも福島県は"熱い"。登録された公式の寺社数は北海道に次いで2位の34社で増え続けている。若い世代の神職につながりがあり、御朱印を通じて地域の歴史や文化財、地域の行事など何を伝えたいかを考えている」と評価している。(伊東隆裕)

220714kokohore2.jpg(御朱印集めの参考になるサイト「ホトカミ」)