【ふくしまFMコラボ番組訪問】生放送、多忙さ驚き

 
情報番組「FUKU―SPACE」を放送する、ふくしまFM第1スタジオにて。北村茉倫アナ(左)と記者=郡山市

 「ココほれ!ふくしま」は、本紙とふくしまFMの番組でテーマを共有するメディアミックスの手法で投稿を募集している。そこで今回は、記者が番組放送中のスタジオにお邪魔し、ラジオと新聞のコラボの様子をリポートする。(佐藤香)

 ふくしまFMで毎週金曜午後1時から生放送している「FUKU―SPACE(フクスペース)」。中継や新商品の紹介、インタビューや交流サイト(SNS)のライブ配信など、盛りだくさんの内容で送る3時間の情報番組だ。

 進行は大阪府出身の北村茉倫(まりん)アナウンサー(24)。入社3年目とは思えない慣れた様子で、1人で生放送を仕切っている。

 新聞と別世界

 取材当日、いよいよ生放送がスタート。いつもは記者が電話で出演し「ココほれ!ふくしま」の紙面の内容を紹介しているが、この日は北村アナとスタジオで直接トークをした。北村アナは、記者の拙いしゃべりにも目の前で反応してくれるので、電話よりも緊張せずに話せた気がする。そして、この日のメッセージテーマが発表されると、早速リスナーからメールが届き始めた。

 記者もそのままスタジオに残り、北村アナと一緒にメールにコメントするが、気の利いたことが言えず、言ったそばから後悔する。しかし、今は生放送中。振り返らずに進むしかない。「まずざっと書いて後で推敲(すいこう)する」ということが可能な新聞製作との時間の流れの違いを感じる。

 一方、北村アナは各地の気温を確認して熱中症への注意を促したり、CMまでの秒数に合わせてトークをしたりと、「迷い」や「後回し」が許されない生放送の中で、常に的確な判断を下していく。ラジオから聞こえる明るい声の裏側で、想像以上にたくさんの事柄を処理していたことに驚いた。

 午後4時、生放送は無事終了。そしてここからが新聞製作の始まりだ。番組に届いた投稿を共有し、社に届いたはがきやメールと合わせて紙面にまとめなければ。

 「情熱伝えたい」北村アナ

 生放送を終えた北村アナに話を聞いた。

 ―番組を進行するうえで心がけていることは。
 「"生産しているものをみんなに食べてほしい"というような、一人一人の情熱や思いを伝えたい。そこから、その商品やお店に興味を持ってもらえたらうれしい」

 ―今後やってみたいことは。
 「リスナーの皆さんと顔を合わせる機会が欲しい。番組で紹介した商品や店舗を集めた、マルシェのようなイベントを開きたい」

 ―福島に来て発見したことは?
 「野菜の味が濃くて驚いた。例えば会津のアスパラガス。ゆでただけなのに、なんでこんなに味が濃くておいしいの?って。あと、福島の人たちは季節の移り変わりを大切にしていると思う。"福島市では雪うさぎの見え方で季節を知る"とか」

 ―番組のリスナーや新聞の読者にメッセージを。
 「番組開始から約1年半。福島県の謎はまだまだ深まるばかりです。そんな私を一人前の福島県民にすべく、"福島とは何ぞや"をどんどん教えていただけたらうれしいです」