【私の一押し総菜店】50円コロッケ、不動の味

 
「するがや」のショーケースに並ぶ総菜の一部。コロッケ(上段中央)は、この5分後に売り切れてしまい、スタッフが追加分を作っていた

 台所に立つのが面倒なときや時間がないときの強い味方、総菜店。コロナ禍の中食ブームの後押しもあり、利用者も増えている。読者とふくしまFMのリスナーに、お薦めの店やメニューを聞いた。

 まずは総菜専門店の情報から。「福島市の蓬莱と南福島にあるかぼちゃのたねです。『大豆のお肉の佃(つくだ)煮』は、大豆ミートの独特な歯応えとショウガの利いた甘辛い味でご飯が進みます」(みねのふじこさん)、「福島市荒井にある松月堂高木の厚焼き卵は、食べ応えがあって一押しです」(いつも腹ペコさん)、「郡山市堂前町にあるたけや。おにぎり屋さんですがお総菜も充実しています」(露彦さん)。

 中でも、福島市の「するがや」をお薦めする声が複数届いた。しかも、どの投稿にも「どれもおいしい」「安い」と書かれている。これは行くしかない!

 同市渡利、福島南高前にある「するがや」は創業約70年。社長の大波祐太さんは4代目だ。大波さんの曽祖父が戦争で東京から疎開し、福島市宮町で開店した。今の場所に移転したのは昭和50年代だという。投稿にもファンが多かったカレー味のコロッケは、創業以来変わらぬ味で、1個50円。約30年間この価格だという。もう一つの看板メニュー、から揚げは100グラム140円。聞きしに勝る良心的な価格に驚いていると、ショーケース内に山盛りだったから揚げやコロッケが次々と減っていく。すいている時間帯にお邪魔したのだが、客足が途切れることはなかった。

 全て手作りの弁当や総菜は、加工していない野菜を仕入れ、皮むきから店で行っている。「人の手で切ると形が不ぞろいになるが、それがアクセントになっておいしい」と大波さん。「自分たちは忙しい人のフォロー役、という気持ちです」との頼もしい言葉に、忙しくなくても利用したくなった。

 から揚げ愛...深く

 精肉店や鮮魚店が作る総菜にもファンが多い。「秋葉魚店(福島市)の刺し身を食べたらとりこになります!」(ほのちゃんパパさん)、「郡山市熱海町の肉のながせのメンチカツ」(さんきゅ~さん)、「いわき市永崎にあるカザマ肉店のササミフライがお薦め。やはりお肉屋さんの揚げ物は最高ですね!」(アクエリアスさん)、「会津美里町にある東部畜産(肉の東部)のメンチカツ。人気があってすぐに売り切れてしまいます」(ひろじいちゃん)、「三春町の伊藤精肉店がお薦め。特に三春グルメンチはジューシーでピーマンがアクセントになっています」(絶好町三丁目さん)、「家族みんな、本宮市の加藤精肉店のメンチカツとハムカツのファンです」(おまんじゅうさん)。

 みんなが好きだけど手間がかかる揚げ物は、店の総菜に頼る頻度が高そうだ。その中でも「から揚げ」を推す投稿が特に目立った。ニチレイフーズの「全国から揚げ調査2022」によると、福島県民はから揚げを1カ月間に食べる1人当たりの平均喫食個数が都道府県別で全国2位だ(1位は山形県)。そんな福島県民に愛されるから揚げについては、後日あらためて深掘りしたい。(佐藤香)