【須賀川がアツい!】炎のウルトラマン魂

 
有観客で開催し複数本の松明が立ち並んだ「松明あかし」=12日、須賀川市

 今月、須賀川市で伝統の火祭り「松明(たいまつ)あかし」が3年ぶりに有観客で行われた。同市は松明あかしをはじめ、釈迦堂川花火大会や牡丹園など従来の観光資源に加え、新しい施設やスポットのオープンなど、近頃ホットな話題が多い。読者やリスナーから寄せられた情報から、たいまつの炎にも負けない須賀川市の熱さの理由に迫る。

 「俳句のまち」

 最も多く寄せられたのは、やはり円谷英二とウルトラマンに関する情報だ。「須賀川市の魅力といったら円谷英二監督です。駅前や街中のウルトラマンの像、円谷英二ミュージアム、須賀川特撮アーカイブセンターなどいろいろあります。あと、ウルトラマンのご当地ナンバープレート(原付きバイク用)があります」(ちるさん)をはじめ、「ウルトラマンのふるさとM78星雲光の国と須賀川市が姉妹都市になっていて、仮想都市『すかがわ市M78光の町』の住民になれます」(須賀川市・白竜さん)など、詳しい情報が寄せられた。

 また、同市は江戸時代の俳人松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅路で須賀川俳壇の有力者相楽等躬(とうきゅう)を訪ね、約1週間滞在した地だ。芭蕉が訪れる前から俳諧が盛んで、古くから文化水準の高い町だったようだ。2020年には「風流のはじめ館」が開館し、俳句をはじめとする和文化の発信や交流の拠点となっている。ほかにも、地元ゆかりの俳人たちの句が書かれた「軒あんどん」や俳句ポストが設置され、現在も「俳句のまち」として知られる。

 カフェなぜ充実

 幅広いジャンルから情報が集まったが、中でもカフェに関する投稿が特徴的だった。というのも、「カフェが充実しているイメージ」(ゆうぴさん)、「カフェが多くなりましたね」(4姉妹のママさん)、「ここ数年でカフェがめちゃくちゃ増えた印象」(うにこさん)など、店名ではなく「最近増えた」という投稿が多かったのだ。

 理由を探ろうと市商工課に聞くと、特にカフェに限ったことではないが、新規出店が増えているのは「ロジマ」と「テッテ」の存在が大きいのではないかという。

 ロジマ(Rojima)は市内の路地や空き店舗などを利用し、手作りのアクセサリーや雑貨の販売、飲食店の出店などを行うイベントだ。まずここで出店し、その後市内で本格的に店を構えた人もいるという。

 また、テッテ(tette)は19年に開館した市民交流センターで、図書館や円谷英二ミュージアムなどが入っている。館内には事業を始めようとする人を支援するチャレンジショップが設置され、1~2年間試験的に営業することができる。すでにカフェなど数軒がここを卒業して開業しているという。

 ほかにも市では空き店舗と開業希望者のマッチング業務をまちづくり会社に委託しているほか、出店時の補助金制度もある。

 起業を考えている人にとって魅力的な環境が整っていることが、新規出店やカフェが増えた印象につながっているのかもしれない。他地域の人が須賀川市の市場に手応えを感じて起業や出店をすれば、移住にもつながるだろう。

 今後も気になる市町村を深掘りしていきたい。(佐藤香)