【温泉の楽しみ方(上)】宿泊も日帰りも至福

 
個性あふれる温泉が各地にあることは本県の魅力の一つ。写真は自然木の柵に囲まれた相模屋旅館(福島市)の露天風呂

 温泉がすぐそばにあることは本県の大きな魅力の一つ。今回は、温泉に行くなら旅館でゆっくり宿泊派? それとも手軽に日帰り派? そんな身近な温泉との付き合い方を調査した。

 露天風呂で星空

 まずは宿泊派の意見から。「断然宿泊派。温泉に漬かり、上げ膳据え膳でゆったりまったり...。楽しかった思いを胸に明日への活力がみなぎります」(会津若松市・泊まり子さん)。「夜遅くに露天風呂に入って星空を見る! また早朝、日の出を見ながら露天風呂に入るのが私のリフレッシュ!」(白河市・ものすごく香る温泉好きさん)と、旅慣れた楽しみ方も。

 一方、日帰り派からは「独身の時は金曜日の仕事帰りによく温泉へ行っていました。泊まりではなく入浴のみ。家とは反対方向の温泉まで足を延ばしたりと、なんてぜいたくだったんだと思います」(福島市・自転車ぱんださん)、「独身の頃は毎週のようにスキーへ行っていたので、帰りに温泉に入ることも度々ありました。裏磐梯や猪苗代のスキー場が多かったので、帰路にある郡山ユラックス熱海によく行っていました」(郡山市・かこうさん)など、比較的時間が自由になるシングルの人たちを中心に、思い立ったらすぐ行ける日帰りが支持されている。

 さらに「飯坂温泉に住んでいるので、温泉に入りたいときはすぐ入れます」(ふくちゃん)という、うらやましい投稿も。

 日帰り入浴に関しては、こんな質問が届いた。「日帰り温泉へ日中に行った場合、髪の毛は洗わないで入るのですか? 日帰り温泉に入った日の夜は家でもう一度お風呂に入りますか?」(はじめの一歩さん)

 投稿者は、日帰り温泉に行ってみたいけれど、分からないことがあり過ぎて行くことができないという。そこで、日本温泉地域学会会員で温泉入浴指導員の資格も持つ、天栄村在住のフリーライター滝野沢優子さんに聞いてみた。

 「私の場合、日帰り温泉で髪も体も洗います。日帰り入浴する目的は大きな湯船にゆっくり漬かりたいのと、自宅でお風呂に入らなくてもいいようにすることなので。私に限らず、ほとんどの人が日帰り入浴で髪を洗っていると思います。夜自宅では多分、入らないのでは? ただし、就寝前に湯船に漬かるのは睡眠の質を上げるためには有効なので、入れる状況ならば、さっと温まるのがお勧めです」

 ペットも連れて

 また、泊まりたいけど泊まれない、こんな要望も。「うちにはわんこちゃん(犬)がいるので、温泉はめっきり日帰り派です。ペットと泊まれる宿がもっと増えるといいなーと思います」(ももりんこさん)

 ペットと泊まれる宿の選び方について滝野沢さんは「個人的な見解ですが、ペット可でも小規模な宿だと部屋で一緒に泊まれるというだけで、公共スペースではケージに入れなくてはならないなど制限があることも。なので、広々とした敷地を持つ宿の方がお薦めかと思います。ドッグランなどがあればさらに良いですね」とアドバイスする。ペットと一緒なら旅の楽しみがさらに広がりそうだ。

 個性ある温泉が各地にある本県だからこそ、どこに行けばいいのか迷ってしまう。次回は温泉選びに役立つ泉質、効能、県内の温泉の魅力について深掘りします。(佐藤香)