【雨の日の洗濯】室内干し「アーチ」で風通し

 
「アーチ干し」の例。中心に丈の短い洗濯物、外側に丈の長いものを干すことで、風通しが良くなり、乾きが早くなる(画像提供:ダスキン)

 湿度が高く蒸し暑い梅雨。そしてその後にやってくるのは(多分)猛暑! 今回は、この季節の掃除や洗濯にまつわる困り事を調査した。

 寄せられた中でも多かったのは「洗濯物を外に干せない」(相馬市・我が家のみーままさん他)、「洗濯物が乾きにくい」(はじっこからマミリンさん他)、「生乾きの臭いが気になる」(とあちゃん他)など、洗濯に関する悩みだ。

 そこでお掃除のプロ、ダスキン・メリーメイド事業部の阪口さおりさんに、雨が続き湿気が多い季節の洗濯のこつを聞いた。

 臭い 雑菌が原因

 まず気になるのは室内干し特有の嫌な臭い。この正体は、洗濯で洗い切れなかった皮脂やあかなどの汚れを栄養にして増える雑菌だという。「晴れた日に室外干しをすると、雑菌は日光によって死滅します。しかし、室内干しの場合は日光が当たらないことに加え、乾くまでに時間がかかるため、乾かしている間に雑菌が繁殖し、臭いを発生させてしまいます。一度増えた雑菌は洗剤では落ちにくくなり、臭いが残ってしまいます」と阪口さん。

 洗濯かごも掃除

 どうすれば臭いを防ぐことができるのか。それは、洗濯前の衣類の置き場所に気を付けることから始まるという。

 「汚れた洗濯物を洗濯機の中にためるのはNGです。通気性が悪く、湿度の高い洗濯機を洗濯かご代わりに使用していると、臭いのもととなる雑菌を繁殖させてしまいます。洗濯物は通気性の高い洗濯かごに入れましょう。また、洗濯かごは定期的に掃除することが大切です」

 洗濯槽を洗濯かご代わりにするのは合理的に思えるが、雑菌の温床になる恐れが。また、洗濯かごを使っている人も、この機会に通気性を確認してみてもよさそうだ。また、洗濯かごを置くスペースがない場合は、洗濯物をネットに入れてつるすなどして通気性の良い状態を保つことが大切だという。

 洗うときにも、臭いのもととなる雑菌を減らす必要があり、有効なのが漬け置き洗いだ。やり方は、洗濯おけに40度程度のお湯をため、洗濯用の酸素系漂白剤を溶かす。そこに洗濯物を入れ、15分ほど漬け置きすると洗濯物が除菌され、嫌な臭いを抑えることができるという。

 最後に干し方のこつは、風通しの良い「アーチ干し」だという。アーチ干しとは、中心から外側に向けて短い洗濯物から長い洗濯物の順に干していく方法のこと。「洗濯物の端がアーチ状に見えるように干すことで風通しが良くなり、乾きが早くなります。また、干す際は10センチ程度の間隔を空けて干すと、より風通しが良くなるでしょう」

 除湿機使い速乾

 さらに今の季節は「長雨だと前日干したものが乾いていないこともあり、干す場所がなくなることも」(相馬@Gメンさん)というお悩みも。より早く乾かす方法を尋ねると「可能であれば除湿機やサーキュレーターを使いましょう。さらに早く乾かせるため、細菌の繁殖を防ぐ効果が期待できます」とアドバイスしてくれた。

 工夫次第で雨の日の洗濯も快適にできそうなので、早速試してみたい。次回は風呂場のカビ対策について、引き続き阪口さんに聞きます。(佐藤香)