【落とし物・忘れ物あるある】えっ、銀歯!? どうしてレースバト?? 

 
県立図書館の入り口付近にある落とし物掲示板

 年末年始に出かけた際、ついうっかり大事な持ち物を落としてしまった人もいるのでは。今年最初の「ココほれ!ふくしま」は、そんな「落とし物・忘れ物」について調査した。

 気付いて大慌て

 読者やリスナーの体験談で多かったものは、やはり財布とスマートフォンだった。「出勤途中にスマホを忘れたと気付き、取りに戻るから会社に遅れますってスマホで連絡しなくちゃ...ってそれを忘れたんだよ!と自分に突っ込んだ」(さすけ姉さん)という共感できるエピソードも。

 「駅でぬいぐるみを落としたことに気付き、大慌てで戻ったら券売機でかわいく座って待っていたことがありました」(アボカドの人さん)、「旅先でバスを降りた時、ポケットから財布が落ちたらしく、何人もの方に忘れてますよと教えていただきました」(つーてーじぃさん)など心温まる体験談も寄せられた。

 ほかにも「レースバトの迷子を捕まえたら、ハト用の宅配便で送ってと言われてびっくり」(晴れんがなさん)、「息子がきれいな石を見つけたと言うので、見てみたら、なんと銀歯でした」(チェリーさん)など珍しい落とし物エピソードも。

 落とし物を防ぐ工夫も寄せられた。「免許証を落として再発行になって以来、仕事中は免許証だけは財布や携帯と別にしてなるべく出し入れしないようにしてます」(ゆずももさん)、「電車で寝てしまい、慌てて降りるときに荷物を忘れたことがあり、それ以来、遠出するときはタクシーで帰るかホテルに泊まることにしています」(ゆうすけさん)。

 落とし物は拾われた後どうなるのか。多くの人が出入りする県立図書館(福島市)で聞いた。同館では、財布などの貴重品はその日のうちに警察へ、それ以外は数カ月間同館で保管した後、警察に届けるという。保管中の物品は館内の掲示板で知らせている。図書館ならではの落とし物としては「本」があるという。ブックポストに返却する際、誤って自分の本も入れてしまうそうだ。

 次に、落とし物が集まる福島署と県警本部を訪れた。警察署に届いた拾得物は、法律に基づき3カ月間は遺失者へ返還する期間として保管し、遺失者が現れない場合は拾得者のものになる。拾得者が棄権した場合は県の所有になるという。免許証やカードなど、持ち主の名前が分かるものは、連絡先を調べて返却しているそうだ。

240125kokohore7010.jpg福島署の保管庫内に積まれた拾得物の傘

 15%が持ち主へ

 2022年の福島県全体の拾得物の受理件数は約15万件で、その内約15%が持ち主に返されている。想像よりも少なく感じた。福島署会計課長の橋本忍さんによると、名前が書かれていない拾得物は持ち主が特定できず、傘などはなくしても警察などに問い合わせる人が少ないため、持ち主不明のままになってしまうものが多いという。同署で保管されている拾得物は直近のピーク時で約6千点、年間で2万4千~3万点ほどが届けられる。届けられたものは1点ずつ番号を振って管理しているという。

 ちょっと変わった拾得物を聞くと、犬や猫、鳥などの動物が挙がった。「ペットのための特別な預かり場所があるわけではないので、対応には気を使う」という。

 同署では落とし物を防ぐ工夫として、その場を離れるときは身の回りを一度確認することや、持ち物に名前を書くことを推奨している。いずれも基本的なことだが、心に留めておけば忘れ物や落とし物が減らせそうだ。県警は受理した落とし物を「遺失物検索サイト」で公開している。落とし物に気付いたときは、同サイトで調べてみると、誰かが届けてくれているかもしれない。(柳沼力樹)