【鍋料理】心も温か我が家の食卓 レモン、ポパイ...個性派囲む

 
好きな具材を集めた鍋を囲んで、おいしく楽しく栄養を取ろう

 寒い季節の定番メニュー、鍋料理。手軽に作れて野菜がたくさん取れ、種類も豊富。今回はそんな鍋料理との付き合い方を調査した。

 週半分は食卓に

 「冬になるとわが家は週の半分は鍋」(会津若松市・ふにふにさん)、「わが家では週3~4回は鍋です。というのも、畑で鍋用の野菜(白菜、大根、ネギ、水菜)を栽培したからです」(会津美里町・会津の山ちゃんさん)、「わが家の冬の夜ご飯はほとんど鍋です!」(郡山市・むらさきしきぶとんさん)など、投稿からは頻繁に鍋料理が食卓に上る様子が浮かぶ。

 では、どんな鍋を味わっているのだろう。王道レシピが多数寄せられた中、気になる"個性派"が。

 「トマト鍋の締めにご飯を入れて卵をかけるとオムライスになるそうです。チーズをのせればリゾットにも!」(郡山市・たんぽぽさん)、「レモン鍋を食べました。さっぱりしていて、プチトマトを入れると熱が通って甘いんです!」(川俣の三枚目さん)、「移住体験ツアーの時に二本松で食べたポパイ鍋がおいしかったですね。昆布とニンニクが入っただしに、チヂミホウレンソウやキノコ、ネギ、豚肉などをしゃぶしゃぶしてごまだれやポン酢でいただきました。食べ物がおいしいのも、移住を決めた理由の一つです」(二本松市・はるまるさん)などなど、まねしてみたい多彩なレシピが届いた。

 野菜彩りを意識

 鍋料理の特色やメリットを、桜の聖母短大生活科学科教授の土屋久美さんに聞いた。

 土屋さんによると、鍋料理は一品でバランスの取れた食事が完成するメニューだという。というのも、鍋料理は肉や魚、豆腐などの主菜に加え、副菜となる野菜も取れる。さらに、締めにご飯や麺を入れれば主食にもなるからだ。

 主菜に多く含まれるたんぱく質は、子どもの成長に欠かせない栄養素だ。そのため、例えば豚肉メインの鍋に豆腐も入れたり、魚介類の鍋に鶏ひき肉の肉団子を加えたりするなど、複数の食材を組み合わせることが望ましい。たんぱく質だけでなく、うまみもアップするという。

 厚生労働省の指標では、成人1人当たりの1日の野菜摂取目標量を350グラムとしている。しかし、若い世代を中心に達成できていない人が多いという。簡単においしく野菜を取るためにも鍋料理は最適だ。

 鍋に入れる野菜選びのポイントは「彩りを意識すること」だという。例えばニンジンや水菜、小松菜、春菊、ニラなどを入れると、ビタミンAが豊富な緑黄色野菜を取れるという。

 ほかにも、土屋さんお薦めの食材はキノコ類だ。食物繊維のほか、骨や歯の発育促進に必要なビタミンDが摂取できる。

 市販の鍋つゆは便利でおいしいけれど、中には塩分が多めのものも。気になる人は、自分でだしを取って鍋つゆを作り、ポン酢などで食べることを提案している。「だしを取るのが大変なら、市販の顆粒(かりゅう)だしで大丈夫。だしのうまみで塩分の使用量を抑えられます」

 鍋料理の良さは栄養面だけではない。「社会の変化に伴い、家族そろって食事をすることに重きが置かれなくなっている中、週に1度でも時間を合わせて一緒に食べる料理として、鍋料理はいいですね。また、家族に限らず人を招いてにぎやかに食べる会食メニューにも最適で、鍋料理は心身ともに健康になれる料理です」(佐藤香)