朝ドラ・エール、23日から最終週! クライマックスへ波瀾万丈

 
25日放送の第118話に登場する裕一(窪田さん)と音(二階堂さん)のワンシーン。音楽とともに生きた夫婦の物語がどう完結するのか注目される

 福島市出身の作曲家古関裕而がモデルとなっているNHK朝ドラ「エール」は23日から最終週を迎える。名曲が次々と登場するなど、クライマックスに向け盛り上がる物語の結末が注目される。一方、最終回の27日は出演者が役柄で古関メロディーを歌うコンサートという異例の内容となる。本県が主な舞台の一つとなり、音楽の力で支え合い人々の心を勇気づけてきた物語の最終章が開幕する。

 「クライマックスに向けて、まだまだ波瀾(はらん)万丈です。家族の思いや絆はつながれるということを表現したい。裕一(窪田正孝さん)と音(二階堂ふみさん)、仲間たちの行く末を最後まで見守ってほしい」。番組の制作統括を務めるNHKの土屋勝裕チーフ・プロデューサーは終盤への見どころを語る。

 最終週は、ロカビリー歌手のアキラ(宮沢氷魚さん)が裕一の娘の華(古川琴音さん)との結婚の許しを得ようとする。また、裕一が東京五輪開会式の入場行進曲である「オリンピック・マーチ」を人生を振り返りながら書き上げる―といったあらすじだ。

 また、西洋音楽の重鎮「小山田耕三」を演じ、新型コロナウイルスによる肺炎で3月に急逝した志村けんさんも意外な形で再登場する。吉田照幸チーフ演出は「志村さんも喜んでいただけるラストになるんじゃないかなと思っている。ぜひとも最後までご覧ください」と話している。

 3月の放送開始以来、音楽を通じて全国に元気を届けてきた「エール」。誘致活動に尽力してきた福島商工会議所青年部の中心メンバー西形吉和さん(42)は「終わってしまうのは寂しいが、しっかりと見届けたい」と声を弾ませる。古関の長男正裕さん(74)は「どんな最後になるのか楽しみにしている。古関メロディーにも注目したい」と期待した。