国見山で待望の登山、13年ぶり再開祝う 南相馬

 
新緑に染まる国見山の自然を満喫した参加者

 東京電力福島第1原発事故などの影響で登山が難しい状況だった福島県南相馬市原町区の西部にある国見山(564メートル)で6日、13年ぶりの登山再開を祝う記念イベントが行われた。地元の子どもたちが新緑に染まる山の自然を満喫した。

 イベントには、市内の小学生や高校生ら約70人が参加し、登山などを楽しんだ。参加者は愛好家の案内を受けながら、ヤマブキソウやヤマツツジが咲く登山道を軽快に進んだ。カメラを片手に動植物の撮影を楽しむフォトラリーに親子で参加した、同市原町区の門馬凜さん(7)=石神二小2年=は「植物も好きだし写真を撮るのも好き。いろんな葉っぱを見られたのが楽しかった」と笑顔を見せた。

 門馬和夫市長は「国見山は自然豊かな南相馬のシンボル。再び国見山を愛していただけるよう願う」とあいさつした。

 国見山はハイキングや学校の遠足のほか、校歌にも歌われるなど市民に親しまれてきたが、原発事故で居住制限区域となり、市は2016年まで立ち入りを制限。19年の東日本台風の影響なども受け、登山道などが荒れた状態になっていた。市が登山道の復旧、多目的広場や展望台の整備などを進め、4月に登山できる環境を整えていた。